日米の金利上昇圧力で利上げ観測高まる

先週の日経平均株価は6万5000円の大台はキープしたものの、前週終値と比べて大幅に反落した。重石となったのは、再び強まった日米の金利上昇圧力である。ジャクソンホール会議でウォーシュFRB議長がインフレに対する警戒姿勢を示したことから米国の9月利上げ観測が高まり、国内でも日銀の追加利上げ観測を背景に10年国債利回りが一時3%台に乗せた。そこに中東情勢の緊迫化と原油高も加わり、AI・半導体関連株を中心に売りが膨らんだ。もっとも週末には買い戻しも入った。これで6万5000円割れでは押し目買いも入ることを確認した、とするのは早計だろう。そのリバウンドはウイリアムズ・NY連銀やFRBのウォラー理事の発言を受けて利上げ懸念が後退したことによるものだからだ。

今週は米CPIが焦点

今週の焦点は11日に発表される8月の米消費者物価指数(CPI)だ。先週末の米雇用統計では非農業部門雇用者数が16万2000人増と市場予想を大幅に上回り、9月FOMCでの利上げ観測が再び強まった。これでCPIが上振れすれば9月FOMCでの利上げはほぼ確実視されるだろう。来週にFOMCと日銀金融政策決定会合が開催されるこのタイミングでは投資家は動けず様子見を決め込むしかないと思われる。しかし、その一方、11日にはメジャーSQも控えており、状況次第では重要イベント前にポジションを整理したい(軽くしておきたい)と思う投資家も少なくないだろう。こうしたことから強含む場面では利益確定売りが増えそうだ。日経平均の上値は重いだろう。

ただし、「日経平均の上値が重い」ことと「日本株全体が弱い」ことは同義ではない。6月下旬に18倍まで上昇したNT倍率は足元で15倍台まで低下している。7月以降、それまで相場を牽引してきたAI・半導体関連株から、電力、銀行、保険、商社などのバリュー株へ資金が移っている。金利上昇は指数全体には逆風だが、銀行などにはむしろ追い風となる。

AI投資の拡大が実際の売上高や利益につながるかが問われる

もっとも、AI・半導体株についても悲観一色ではない。先週末の米国市場では主要株価指数が下落したにもかかわらずSOX指数は3%強上昇し、とりわけメモリー関連株の上昇が目立った。このため週初の東京市場では半導体株への買い戻しが先行する可能性がある。今週は10日に台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング(TSMC)[TSM]の8月売上高、11日早朝にはオラクル[ORCL]の決算が予定されており、AI投資の拡大が実際の売上高や利益につながっているかが改めて問われることになる。一方で米金利が再上昇すれば、高PER銘柄には再びバリュエーション調整圧力がかかる。

半導体株の本格反騰を見込むには、まず米CPIと金利の落ち着きを確認するのがマストだ。最終的にはFOMCの結果を待つことになるだろう。

まとめると、米CPIと翌週の日米金融政策決定を控え、指数が一方向に大きく動く可能性は低いだろう。

予想レンジは6万3500円-6万7000円とする。