今週のポイントは米利上げ観測再燃での見極め

先週の日経平均は前週末比389円高の6万6405円で取引を終えた。389円高と言っても週間で見ればほぼ横ばいだ。それに対してTOPIXは7連騰と底堅さを見せた。これだけ見ても、AI・半導体株相場の本格的な出直りはまだ始まっていないと言える。

今週の株式相場のポイントは、「ウォーシュ・ショック」の余波がどこまで広がるかを見極めることだ。先週末のジャクソンホール会議でのウォーシュFRB議長発言が、想定以上にタカ派的と受け止められて9月FOMCでの利上げ観測が再燃した。米長期金利は上昇し、半導体株安を受けて夜間取引の日経平均先物は6万5830円まで売られた。週明けの東京市場は、まずこの下げを織り込んでのスタートとなる。

最大の焦点は米雇用統計

大きな焦点は金曜日に発表される米8月雇用統計である。前回7月分は非農業部門雇用者数が2.3万人の減少と、労働市場の減速を示していた。今回の市場予想は反動もあって5.5万人増。予想を上回れば利上げ観測がより高まり、金利上昇・ハイテク売りが進むだろう。問題は雇用統計が弱かった場合、利上げ観測がどの程度後退するかだ。ウォーシュ議長があれだけタカ派的なメッセージを送ったあとだけに、利上げ観測は根強く残るだろう。つまり、どちらに転んでもグロース株には不利な状況である。

JOLTS求人件数、ISM製造業景況指数、ADP雇用統計と続く一連の指標が大幅に下振れない限り、市場は早期の追加利上げ懸念を払しょくしにくいだろう。

なお、雇用統計明けの米国はレイバーデーの3連休入りとなる。連休を前にしたポジション整理の売買が交錯しやすい点にも留意したい。

日銀の利上げ観測、高配当・バリュー株、円安メリット株、銀行株の頑張りにも注目

国内要因としては日銀の利上げ観測もある。8月の東京都区部CPI(生鮮食品を除く総合)は前年比1.8%と7月から伸びが再加速しており、円安と物価の組み合わせは、日銀が9月17-18日の金融政策決定会合で追加利上げに踏み切るとの観測を一段と強めている。2日には高田審議委員の講演(札幌)が予定され、地ならし発言の有無が注目されるほか、週前半のG20財務相・中央銀行総裁会議で円安が俎上に載る可能性にも目配りが要る。今週は日米双方の「利上げ」が同時に意識されるなか、株式市場にとってはどれだけ粘り腰をみせられるか正念場となる。

その意味では、9月中間期末の権利取りを意識した高配当・バリュー株、円安メリット株、そして利上げが追い風となる銀行株あたりがどれだけ頑張れるか注目したい。

米国株は月別騰落率で9月が最も弱いというアノマリーに加え、中間選挙の接近、9月下旬から10月初旬に控えるアンソロピックの大型IPOという需給要因もあり、季節的にもグロース一辺倒を避けたい局面だ。先週もSaaS関連など出遅れ銘柄への物色の広がりが確認されたが、AI・半導体一極集中相場が終わって、相場の裾野が広がること自体はむしろ健全と評価すべきだろう。

まとめると、雇用統計を前に上値を追う材料は乏しく、まずは6万5000円近辺の下値の堅さを確認する週になろう。

予想レンジは6万4500円-6万7000円とする。