今週(9月11日~9月17日)の相場動向
相場回顧 BTC(ビットコイン):米利上げとCLARITY法案の審議入り否決で下落
ビットコインは、米FOMCでの利上げや米国とイランの軍事的緊張、米CLARITY法案の審議入り否決を受けて下落基調を強め、BTC=75,000ドル(約1170万円)付近まで水準を切り下げた。
週初は、8月の米CPI(消費者物価指数)が総合指数で市場予想に沿った一方、コア指数が前月比で予想を上回ったことで、発表後のビットコインは急騰後に急落する荒い値動きとなった。米金利が高止まりするなか、AI関連では開発ペースの減速を巡る懸念から半導体株への売りが強まり、米国株も軟調に推移した。さらに、サウジアラビアの石油パイプラインへの攻撃などを受けて原油供給への警戒が強まり、原油価格も上昇するなど、リスク資産を取り巻く環境は悪化した。
その後、米上院共和党がCLARITY法案の修正版を公表し、成立に向けた協議が進展するとの期待からビットコインは反発し、一時BTC=79,000ドル(約1232万円)台まで上昇した。しかし、議会再開となった15日に同法案の審議入りに必要な手続き採決が否決されると、規制整備への期待が後退。現物ETFからの資金流出も重なり、ビットコインはBTC=75,000ドル(約1170万円)付近まで急落した。
16日にはFOMCが約3年ぶりに0.25%の利上げを決定した。ウォーシュFRB(米連邦準備制度理事会)議長がインフレ抑制を優先する姿勢を改めて示したほか、FOMC参加者の金利見通しから年内の追加利上げの可能性が意識された。一方、サウジアラビアによるオマーン経由での原油追加供給が伝わり、原油価格は下落。米金利の上昇も一服したものの、ビットコインは戻りの鈍い展開となった。
来週(9月18日~9月24日)の相場予想
BTC(ビットコイン)は米利上げ転換後の株式市場を注視、下値を探る展開か
来週のビットコインは、米利上げ転換を受けた株式市場の調整や米イラン情勢が引き続き重石となり、下値を探る展開が予想される。一方、AI関連の大型IPOへの期待や暗号資産規制の実務面での進展が相場を下支えする可能性もある。
まず、米金融政策では9月FOMCが利上げに転じたことで、相場のトレンド変化が意識される。2022年にはFRBの金融引き締めへの転換とともに、米国株とビットコインが下落基調を強めた経緯がある。一方、足元では米長期金利がすでに5%前後の高水準にあり、当時のような大幅な利上げが今後も続くとは限らない。それでも追加利上げや高金利の長期化への警戒が強まれば、米国株の調整とともにビットコインにも売り圧力が強まる可能性がある。
株式市場では、AI投資の持続性も焦点となる。AI開発の減速を指摘する見方が広がるなか、米利上げ転換を受けて、これまで相場をけん引してきたAI関連株の調整色が強まれば、ビットコインにも売りが波及しやすい。一方、アンソロピックは10月にもIPOに向けた動きが具体化するとの観測があり、目論見書の公開などが進めば、大型IPOへの期待からAI関連株が持ち直す可能性がある。ただし、IPOへの資金需要が強まれば、投資原資の確保に向けた資金シフトにより、ビットコインから資金が流出する可能性にも注意が必要である。
米イラン情勢では、軍事的な対立が中東周辺に広がるなか、ホルムズ海峡の正常化に向けた協議も停滞しており、緊張緩和への道筋は見えにくい。協議が平行線のまま原油価格がさらに上昇すれば、米国におけるインフレ懸念と追加利上げ観測が強まり、ビットコインには一段の下押し圧力となるだろう。一方、直接協議の再開など緊張緩和の兆しがみられれば、原油高への警戒が和らぎ、リスク資産の買い戻しにつながる可能性がある。
米国の暗号資産規制では、CLARITY法案の年内成立への期待が後退している。もっとも、SEC(米証券取引委員会)とCFTC(米商品先物取引委員会)は法案成立を待たず、既存の権限の範囲内で暗号資産のルール整備を進める方針を示している。規制当局から具体的な制度整備が相次げば、法案審議の停滞による失望感を和らげる材料となるだろう。
直近の価格レンジとして、上値はBTC=80,000ドル(約1248万円)、下値はBTC=70,000ドル(約1092万円)を意識する。

