2026年後半のインフレ動向と金利上昇圧力

・原油価格は再び上昇基調にある。春先には米2年債利回りも連動して上がったが、その後は原油の一服局面でも米2年債利回りは上昇し、実質金利・ファンダメンタルズ主導の金利上昇が意識された。

・消費者物価の内訳では、財の上昇は一服、住宅は落ち着く一方、サービス価格は持ち直しつつあり再加速の兆しが出ている。ヘッドラインよりコアの動向が焦点で、引き続きインフレ警戒が続く。

・関税コストの価格転嫁圧力は残存。ニューヨーク連銀調査では、サービス業の47%、製造業の44%が価格への転嫁を予定しており、コア物価の上振れ要因となるリスクがある。

労働市場の実態と金融政策の含意

・非農業部門雇用は鈍化傾向で、直近ではサービス業の一部がマイナス。雇用のけん引は医療・教育に偏り、広がりに欠ける。

・ブレークイーブン雇用増(失業率を安定させるのに必要な雇用増)は0~2万人程度へ低下。移民や労働力人口動向の影響で、小幅な雇用増でも失業率は安定しやすく、労働市場はインフレ圧力を強めにくい。

・景気全体は悪化しておらず、設備投資の底堅さも背景に、短期金利の上昇圧力が残る公算。FOMC(米連邦公開市場委員会)はデータ次第の運営が続く。一方で、テイラールールが示す適正水準は現行政策金利を上回っており、引き締めスタンス継続の余地がある。

決算シーズンの焦点と物色の広がり・ボラティリティ

・S&P500のEPS予想は、2026年の年初の約+15%から+25%へ上方修正され、テクノロジー主導で期待が高水準。金融相場から業績相場への移行下で、決算のハードルは高いと考えられる。

・好決算でも株価反応が鈍い例(サムスンなど)があった。今週(7月14日週)はASMLホールディング[ASML]、台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング(TSMC)[TSM]、米銀行などの決算が続く。テクノロジー中心にボラティリティ上昇に注意が必要だ。

・物色の広がりの兆しがあり、米S&P500で値上がり銘柄数が優勢。日本でもTOPIX優位の動きが見られる。一方で、韓国市場の不安定さ(KOSPI200ボラティリティ指数の上昇、韓国の金融政策決定会合での利上げ観測)が短期変動リスクとなる。