今週(6月12日~6月18日)の相場動向

相場回顧 BTC(ビットコイン):米株高に連れ高も、FOMC後のタカ派ムードで上値重い展開

ビットコインは、スペースX[SPCX]のIPO好発進や米イラン和平期待を背景に米国株とともに買われる場面があったものの、FOMC(米連邦公開市場委員会)前後では上値の重い展開となった。

週前半はリスクオンムードが広がった。スペースXの大型IPOは初日に大きく上昇。さらに、6月15日には米国とイランが停戦およびホルムズ海峡再開を含む暫定和平合意に至ったことを受け、原油価格が下落し、米国株は堅調に推移した。ビットコインもこの流れに連れ高し、買いが強まった。

加えて、ストラテジー[MSTR]がビットコインを追加購入したことも投資家心理を支えた。前週まで同社の一部売却が嫌気されていただけに、買い増し継続は暗号資産市場の安心材料となり、BTC=67,000ドル(約1072万円)付近まで上昇した。

しかし、FOMCを前に利益確定売りが強まり、相場の上昇は一服した。FOMCでは市場予想通り政策金利が据え置かれたものの、ウォーシュ新FRB(米連邦準備制度理事会)議長はインフレ抑制を重視する姿勢を鮮明にし、年内利上げの可能性も意識された。これを受けて米金利が上昇し、米国株などリスク資産に売りが広がる中、ビットコインも再び売りに押された。

足元ではBTC=63,000ドル(約1008万円)前後で推移しており、米国株高に連動する場面はありながらも、金融政策への警戒感から上値は重くなっている。

来週(6月19日~6月25日)の相場予想

BTC(ビットコイン)はETF需給改善が支え、米イラン合意後の動きとAI資金動向を注視か

来週のビットコインは、ETF需給の改善が下支えとなる一方、米イラン合意後の動きやAI関連テーマを巡る資金動向に左右される展開が予想される。

まず、米国株市場ではAI半導体ブームが引き続きリスクオン相場を支えている。ただ、スペースXの大型IPOを通過したことで、これまでAI関連テーマを織り込んできた投資家による利益確定売りが強まる可能性がある。AI関連株の上昇が一服すれば、同テーマに偏っていた資金が再配分され、ビットコインが相対的に底堅く推移する展開も想定される。

一方、オープンAIやアンソロピックのIPOに関する続報が出てAI関連テーマへの期待が続く場合、投資家の関心は引き続きAI関連資産に向かいやすく、ビットコインへの資金流入は限定的となるだろう。

次に、米イラン情勢にも注目したい。米国とイランは戦闘停止やホルムズ海峡の通航再開を含む合意に署名しており、今後は合意履行の行方が焦点となる。ホルムズ海峡の通航正常化が進み、原油供給不安の後退が確認されれば、インフレ懸念の和らぎを通じてビットコインにも買いが入りやすいだろう。ただ、核開発や制裁解除、ホルムズ海峡の管理を巡る不透明感は残る。履行を巡る対立や周辺国の反発が表面化すれば、リスク回避姿勢が再び強まる可能性がある。

暗号資産固有の材料としては、米ビットコイン現物ETFの資金流出が落ち着きつつある点が注目される。こうした中で、ブラックロックの「iShares Bitcoin Premium Income ETF(BITA)」が6月16日に上場したことも支援材料となる。BITAはビットコインへのエクスポージャーを維持しながら、オプション収入を通じた分配を目指す商品であり、インカム志向の投資家層を取り込む可能性がある。ETF市場の選択肢拡大を通じて機関投資家の資金が向かえば、価格の押し上げ要因となろう。

もっとも、ETF需給の改善や新商品の上場が相場を支える一方、積極的に上値を追うにはなお材料不足とみられる。当面は米イラン合意の履行状況やAI関連株の資金動向など、外部環境に左右される展開が続くだろう。

直近の価格レンジとして、上値はBTC=70,000ドル(約1120万円)、下値はBTC=58,000ドル(約928万円)を意識する。