中東リスク後退で原油急落、リスク資産に買い戻し

7月25日、米国はイランに対する大規模な追加攻撃を当面見送る方針を示し、連日続いていた攻撃は一時的に停止しました。

報道によると、米軍幹部からは、これまでの作戦が一定の効果を上げる一方、追加攻撃にはより大規模な作戦が必要になるとの説明があったようです。また、トランプ政権内では大規模攻撃への支持が限定的だったほか、防空ミサイルの在庫減少や、中東全域へ戦火が拡大するリスクも懸念材料になったと伝えられています。

これに対し、イラン側も、米国が攻撃停止を維持する限り、報復攻撃を控える姿勢を示しました。オマーンなどを仲介役とする協議も継続していると報じられており、現時点では正式な停戦合意ではないものの、少なくとも軍事的な応酬がいったん止まった点は前向きに評価できるでしょう。ただし、交渉が決裂すれば再び攻撃が再開される可能性は残っており、情勢の再悪化には引き続き注意が必要です。

これを受け、週明けの原油価格は大幅に下落し、株式や暗号資産などのリスク資産には買い戻しが入りました。ビットコインとイーサリアムも上昇しており、市場では地政学リスクの一時的な後退を織り込む動きがみられます。

BTC(ビットコイン)は底堅く推移

BTC/JPY日足チャート:BTC(ビットコイン)は徐々に上値を切り上げていく展開か

BTC/JPYの日足チャートです(図表1)。

BTC/JPY は、SMA30(黄色)を上回り、底堅い推移が続いています。SMA90(水色)は1100万円付近に位置しており、目先はこの水準が上値の目安として意識されそうです。MACDもゼロライン近辺まで回復し、上昇モメンタムが戻りつつあることを示しています。

【図表1】BTC/JPY 日足チャート
【図表1】BTC/JPY 日足チャート

前回から基本的な見通しに変更はなく、BTC/JPYは中長期的にはSMA200(橙色)に向けて、徐々に上値を切り上げていく展開を想定しています。

時間軸としては、早ければ8月上旬頃にSMA200へ接近するイメージです。中東情勢の緊張緩和が続けば、暗号資産市場でも目先はリスク選好が戻りやすいでしょう。一方、正式な停戦合意には至っていないため、急なヘッドラインによる値動きには注意が必要です。

BTC/JPY4時間足チャート:SMA90を支えに下値を切り上げ

BTC/JPYの4時間足チャートです(図表2)。

この時間軸では、SMA90(水色)にサポートされながら、徐々に下値を切り上げていることが確認できます。

【図表2】BTC/JPY 4時間足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

今週(7月27日週)の押し目買いでは、まずSMA90付近で下げ止まるかを確認し、その水準からのエントリーを意識したいところです。

現在は1050万円台で推移していますが、SMA90は緩やかに上昇しており、週後半には1055万~1065万円付近まで切り上がってくる可能性があります。いったん上値を追った後に反落した場合、この価格帯がサポートとして機能するかがポイントになるでしょう。

MACDもゴールデンクロスを形成しつつあり、直近5~6営業日の調整は一巡した可能性があります。ただし、SMA90を明確に割り込む場合は上昇シナリオをいったん見直し、次の下値支持帯を確認する必要があります。

ETH(イーサリアム)、SMA200回復は射程圏内か?

ETH/JPYの日足チャートです(図表3)。BTCと比較しても、引き続き底堅い値動きを維持しています。

ETH/JPYはすでにSMA90(水色)を上回っており、約3ヶ月間の平均価格を回復したことで、チャート上ではボトムアウトの可能性が高まりつつあります。目先のターゲットはSMA200(橙色)です。

【図表3】ETH/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

SMA200は33万~34万円付近に位置しており、現在価格からは5~7%程度の上昇余地があります。到達までの目安は1週間~10日程度を想定していますが、中東情勢の改善が継続すれば、関連報道をきっかけに上値を切り上げる展開も考えられます。

SMA200を明確に上回った場合は、次に35万円付近が意識されます。個人的には、8月の上値目安を33万~35万円ゾーンとみています。

この価格帯では保有ポジションの利益確定を進め、2026年9月以降に想定するリスクオフ局面に備えて、戻り売りの機会を探る予定です。ただし、SMA200について出来高を伴って明確に上抜ける場合は、売り急がず、その後の値動きを確認したいと考えています。

今週(7月27日週)の暗号資産(BTC・ETH)動向のポイント

・米国とイランの軍事的な応酬は一時停止し、週明けは原油安とリスク資産の買い戻しが進んでいる。
・BTC/JPYはSMA30を上回り、日足ではSMA90からSMA200に向けた戻りを試す展開。
・BTC/JPYの4時間足ではSMA90が下値支持として機能しており、1055万~1065万円付近が今週後半の押し目候補に。
・ETH/JPYはSMA90を回復し、次の焦点は33万~34万円付近のSMA200か。
・イラン情勢については正式な停戦合意ではないため、中東情勢の再悪化やSMA90割れには注意が必要。