米TradeStation Group グローバル市場戦略責任者のデイビッド・ラッセル氏の現地レポート

・米国株の急騰は、テクノロジー企業の決算がきっかけとなった。AIが複数の分野で成長をけん引している。特にエージェントAI用CPUの授業が劇的に増加し、インテル[INTC]とアドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]が主要銘柄として2倍以上、上昇した。

・モルガン・スタンレーは2026年の投資額が35%以上増加し、1.1兆ドルに達すると予測している。

・直近のGDP統計では、2026年度第1四半期設備・ソフトウェアが12%以上と劇的に増加した。アナリストは予想を引き上げ、多くの企業が業績見通しを上方修正している。

米国株市場の強さを徹底解剖

・米国株は、2026年第2四半期に入ってからは、S&P500が13.9%、ナスダック100が+23.4%上昇している。年初からのS&P500は8.6%の上昇となる。5月14日にはS&P500が7,517ポイントと史上最高値を更新した。

・原油価格(WTI)は数十年ぶりの高値近辺にあり、その結果、米10年債利回りは4.58%程度まで上昇している。通常であれば、原油高と金利上昇は株式市場の重石になるはずだが、S&P500は市場最高値近辺で推移しており、米国株の強さがうかがえる。

・AI関連の成長により情報技術セクターとコミュニケーションセクターの伸びが非常に強かった。

・現在のリスクはイラン戦争である。WTI原油価格は1バレル100ドル超で、この高い水準が一時的であれば市場は吸収できるが、長引くとインフレが再びフォーカスされ、FRBが引き締めバイアスに転換する可能性がある。

・2026年の中間選挙では、ガソリン価格の高止まりがトランプ米大統領に不利になる。イランとの交渉については、イランの方針転換には数年かかる可能性がある。

・金利上昇やガソリン価格上昇をきっかけに米国株が調整するのであれば、非常に良い押し目のチャンスになる。

エヌビディア[NVDA]決算詳報

・エヌビディア[NVDA]は売上高前年同期比85%アップという驚異的な成長を記録した。過去3回の決算では予想を上回っても翌日株価が下落する傾向があった。しかし結局は株価上昇を継続し、高値を更新してきた歴史がある。

・個人投資家も機関投資家も既にポジションを持っているため、新しい買い手が必要である。今回フリーキャッシュフローの50%を株主に還元する方針を示し、配当金を20倍以上に増配したことで、グロースアンドインカムファンドなど新しい投資家ベースが広がる可能性がある。アクティブ運用ファンドの78%がエヌビディアを保有している。

・フィラデルフィア半導体指数が第2四半期に入ってから急騰した。ファンダメンタルズの観点では持続可能であり、AI需要が数字で証明された。

・AIスタートアップのアンソロピックの年間経常収益は2025年末90億ドルから4ヶ月で300億ドルへと3倍以上に拡大し、毎週10―20億ドルの新規収益が生まれている。

・半導体指数の14週間RSI(相対力指数)は80を上回り、極端な「買われすぎ」状態にある。しかしすぐには下がらず、短期的な調整を受けながらもトレンドは継続することが多い。半導体がシクリカルセクターからグロースセクターに変わりつつある。

※2026年5月21日付エヌビディア決算速報:【米国株】エヌビディア、またも歴史を塗り替えた四半期ー需要が放物線を描いて急上昇。次の波は「AIが自分で働く時代」

待機資金が株式市場へ?

・1年先目標株価を集めたボトムアップによるS&P500ターゲットは8,605ポイントで、5月20日の引け値7,432ポイントから約16%の潜在的リターンがある。過去のデータでは、マーケットが大きく下がった時にファンダメンタルズ価値との乖離が広がり、その後回復するパターンがある。

・エヌビディアの目標株価は平均277ドルで、買い推奨76人、ホールド3人、売り1人という約80人のアナリストカバレッジを紹介し、24%のアップサイドがあることを報告した。グローバルファンドマネージャーのテールリスク認識では、第2波インフレが最大のリスクとなり、地政学的紛争、金利の無秩序な上昇が続くことを説明した。AIバブルは最大のリスクではない。

・現在S&P500が高値をつける中でアドバンス・ディクライン・ライン(騰落指数)は下落を始めており、限られた銘柄だけのラリーを示している。しかし1996年から2000年の例では、ADラインが下がってもS&P500は約36%上昇した歴史がある。

・1979年以来、S&P500、ナスダック、ラッセル2000の3指数が6週間連続で同時上昇したのは過去に10回しかなく、非常に珍しい現象であることを報告した。過去のデータでは、このような状況の後も中長期的には天井にならず、半年後は90%の確率で平均11%、1年後は90%の確率で平均19%上昇している。

・米国で始まっているAlexa Plusでは、生成AIが搭載され文脈を理解して会話が成立し、自立的にタスクを実行できる。

ハッチの積み立て投資クラブ

・毎日1,000円のS&P500連動投資信託と500円のナスダック100への積立投資を継続し、400万円の投資が4月8日時点で669万円、5月8日時点では767万円(87.5%のリターン)に成長した。途中で20万円を売却して宮崎旅行に使ったにも関わらず、投資額が増加している。

・積立投資クラブのポートフォリオ構成は、米国株(S&P500、ナスダック100、ファングプラス)、テーマ型(ロボティクス、メタバース、フィンテック、宇宙株)、新興国(MSCI新興国、ベトナム、インド、中国)の3つのカテゴリーに分けられる。各指数の2024年末からのパフォーマンスでは、新興国が55%、ナスダック100が39%の上昇を記録している。

トランプ米大統領の最新ポートフォリオ

・米国の政府公表データを基にAIで分析した結果を紹介した。トランプ氏は2026年第1四半期に3,642件の取引を行い、新規購入銘柄にはエヌビディア[NVDA]、アップル[AAPL]、ブロードコム[AVGO]、オラクル[ORCL]、マイクロソフト[MSFT]、アマゾン・ドット・コム[AMZN]、インテル[INTC]、デル・テクノロジーズ[DELL]、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ[AMD]、ゴールドマン・サックス・グループ[GS]、コインベース・グローバル[COIN]などが含まれている。同時にマイクロソフト、アマゾン・ドット・コム、メタ・プラットフォームズ[META] 、アルファベット[GOOGL]の売却も行っており、トレーディングを行っている。

バークシャー・ハサウェイ株主総会レポート

・2026年は2025年より2割程度参加者が少なく、新CEOグレッグ・アベルが初めて主導する形で開催され、会社の説明にフォーカスした新しいフォーマットで行われた。

・東京海上ホールディングス(8766)への投資は株式投資ではなく戦略的なビジネス提携の一環であると説明された。

・バークシャーは40銘柄から26銘柄にポートフォリオを整理し、アルファベット[GOOGL]の買い増しやデルタ航空[DAL]、ニューヨーク・タイムズ[NYT]の新規購入を行った。

・莫大な現金保有については、マーケットが高いからではなく、投資したいと考えている企業の株価が実際の価値より安くなったら買うというスタンスを貫いているためでる。保険会社として現金保有でも3%程度のイールドが得られる。

ジェレミー・シーゲル教授 独占インタビュー(予告)

・「投資のバイブル」と呼ばれる『株式投資』の著者ジェレミー・シーゲル教授に独占インタビューを行った。

・教授は今後の米国株について、インフレ調整後、5―6%の実質リターンが期待できると述べ、引き続き強気の見通しを示した。さらに市場が高値でも長期投資家は心配する必要はなく、ステイ・インベステッド(投資継続)すべきだとアドバイスした。(このインタビューの全編については後日公開予定)