モトリーフール米国本社 – 2026年8月4日 投稿記事より

最近、アルファベット[GOOGL]とアマゾン・ドットコム[AMZN]は、2026年の設備投資予算を増額し、2027年にはさらに投資を増やす方針を示しました。そのため、こうした積極的な投資の恩恵を受けるとみられる企業へ投資するには、今が好機かもしれません。特に好都合なのは、それらの銘柄の多くが、高値から大きく反落していることです。これはAIインフラ設備投資の減速懸念を受けたものですが、今のところ、そうした減速の兆候は見られません。

そこで今回は、今注目したいAI関連3銘柄を見ていきましょう。

1.エヌビディア[NVDA]:画像処理ユニット(GPU)以外にもある、エヌビディアのAI覇権を支える強みとは

エヌビディア[NVDA]は依然としてAIインフラブームから恩恵を受ける代表的な銘柄の一つです。同社は急成長を続けていますが、株価には割安感があり、2028年度(2028年1月期)のアナリスト予想に基づく株価収益率(PER)は16倍となっています。

AIインフラ市場は進化を続けていますが、エヌビディアはその中でも主導的な地位を維持できる体制を築いています。同社の画像処理ユニット(GPU)はAIモデルのトレーニングに使用されるシステムとして支配的地位を維持しており、基盤となるAIコードの多くが同社のCUDAソフトウェア上で開発されています。このCUDAの存在が、同社に非常に強固な競争優位性をもたらしています。

一方、エヌビディアのネットワーキング製品群は、チップクラスターの規模拡大に伴い、もう一つの成長ドライバーとなっており、同社のエンド・ツー・エンドのAIソリューションにとって神経系のような役割を果たしています。同社はまた、エージェント型AIの普及に伴って重要性が増している中央演算処理装置(CPU)や、それらのシステムに組み込まれるデータ処理装置(DPU)など、他のチップも開発しています。

中でもエヌビディアの特に優れた戦略は、グロック(Groq)とその言語処理ユニット(LPU)を買収したことでしょう。LPUは、SRAM(スタティックRAM)をチップに直接組み込んでいるため、推論処理における「デコード」工程を効率的に実行できる点が大きな特長です。

対照的に、高帯域幅メモリ(HBM)と組み合わせた同社のGPUは、推論の「プリフィル」工程をより低コストで処理することが可能です。これはエヌビディアを推論分野のリーダーたらしめている有効なソリューションであり、推論はトレーニングよりもさらに大きな市場になると見込まれています。

2.SKハイニックス[SKHY]:高帯域幅メモリ(HBM)需要拡大が長期成長を後押し

AIインフラ分野における最大のボトルネックの一つは依然として高帯域幅メモリ(HBM)の供給です。GPUやその他のチップは、処理の遅延(レイテンシ)の低減と電力効率の向上を図るため、HBMと共にパッケージ化する必要があるためです。推論処理ではHBMの重要性はさらに高く、それが需要拡大をいっそう後押ししています。

しかし、HBMは通常のDRAM(dynamic random-access memory)の3倍のウエハー面積を必要とし、DRAMメーカー大手3社は、GPUなどの先端ロジック半導体の製造にも必要な同じ装置を確保しようと競い合っているため、市場は依然としてHBMの供給不足が続いています。

こうした中、HBM市場のリーダーであるSKハイニックス[SKHY]は、長期的にみて最も有望な立場にあるメモリ企業です。HBM市場で50%以上のシェアを占める同社は、エヌビディア向けの主要HBMサプライヤーでもあります。さらに、両社は複数年にわたる総額5000億ドル規模の大型供給契約を締結したばかりです。DRAM市場は今後数年間にわたって供給不足が続くと予想されており、SKハイニックスは価格上限のない長期契約を締結しているため、予想PERの5倍強で取引されている同社株は、魅力的な投資候補と言えるでしょう。

3.台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング(TSMC)[TSM]:圧倒的な技術力が生む独占的優位性

先端半導体の製造は技術的に難易度が高く、高い歩留まり(不良品の少なさ)で安定して量産する能力を証明している唯一の企業が台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング(TSMC)[TSM]です。この強みから、TSMCはセクターで事実上の独占的地位を築き、半導体エコシステムにおける最も重要なプレーヤーの一つとなっています。また、こうした強固な市場ポジションは、強い価格決定力にもつながっており、高い粗利益率を実現しています。

AIデータセンター向け半導体需要の拡大を背景に、TSMCは大きな勝者となれる独自の立場にあります。同社は、急増する需要に対応すべく積極的に生産能力の拡充に取り組み、顧客の重要なパートナーとして、業界内のさまざまな企業と強固な関係を築いています。同社株は2027年のアナリスト予想利益に対してPER19倍で取引されており、今後の成長見通しを考慮するとバリュエーションは魅力的だと思われます。

免責事項と開示事項 記事は一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Geoffrey Seilerは、アルファベットとアマゾンの株式を保有しています。モトリーフール米国本社は、アルファベット、アマゾン、エヌビディア、TSMCの株式を保有し、推奨しています。モトリーフール米国本社は情報開示ポリシーを定めています。