日本株市場は方向感に乏しい展開か

名実ともに2月相場入りとなる今週の日本株市場は、8日の衆院選投開票を控え、方向感に乏しい展開となりそうである。選挙結果を見極めたいとの思惑から、積極的な売買が手控えられやすく、メディア各社の情勢調査や金利・為替動向、個別企業の決算内容に反応しながらも一進一退の推移が続くだろう。

為替と国内外で本格化する決算に注目

注目点の一つは為替である。米金融政策を巡っては、ウォーシュ氏の指名で利下げ期待が後退するなど不透明感が増している。一方、ドルの信認低下への警戒感は後退しつつあり、急激な円高進行は想定しにくい。さらに言えば、FRB議長の後任人事が発表されたこのタイミングで日米当局の協調介入はないだろうと考えられる。逆に投機筋にそこを見透かされて円安が進むというシナリオの蓋然性が高いのではないか。

もうひとつの注目は国内外で本格化する10-12月期決算である。国内では2日にみずほフィナンシャルグループ(8411)、村田製作所(6981)、東日本旅客鉄道(9020)、TDK(6762)、3日に三井物産(8031)、任天堂(7974)、三菱電機(6503)、デンソー(6902)、4日に三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、三菱重工業(7011)、パナソニック ホールディングス(6752)、5日にソニーグループ(6758)、三菱商事(8058)、NTT(9432)、日本製鉄(5401)、6日にトヨタ自動車(7203)、東京エレクトロン(8035)、伊藤忠商事(8001)、三井不動産(8801)といった主力企業の発表が相次ぐ。業績そのものに加え、為替前提や今後の見通し、株主還元策等も注目である。特に半導体や電子部品関連では、ここまで好決算が続いている分、やや高まった市場の期待をどこまで満たせるかがポイントになる。防衛やインフラ関連など、政策期待と結びつきやすい分野では、受注動向や中期的な成長ストーリーが改めて注目されやすい。

米国ではアルファベット[GOOGL]やアマゾン・ドットコム[AMZN]など大手ハイテク株が決算発表予定だが、市場全体への影響は限定的だろう。その根拠は先週見られたマイクロソフト[MSFT]の決算を受けた市場の反応だ。

マイクロソフトの決算はEPS(1株当たり利益)など市場予想を上回ったがクラウド事業の売上高がわずかに市場予想未達となった。それだけで同社の株価は前日比10%安と急落した。1日の下落率としては、コロナ禍当時の2020年3月に記録した15%安以来の大きさだ。時価総額はその日だけで約3600億ドル(約55兆円)が消失した。それも驚きだが、その日の市場全体への影響は限られ、ダウ平均は小幅に続伸して終えた。

ただ、アルファベットやアマゾン・ドットコムなど大手ハイテク株に対して、同様の市場反応が続くようだとAI懐疑論の再燃に結びつきかねないので注意が必要だ。

衆院選を前に様子見姿勢が強まる一方、個別株物色が中心となる展開か

まとめると、今週の日本株相場は、衆院選という政治イベントを前に様子見姿勢が強まりやすい一方、決算発表を手掛かりとした個別株物色が中心となる展開が想定される。期日前投票が進んでいるので、ここからの選挙情勢を巡る報道への信頼度は高まるだろう。それによって市場の安心感が醸成され、基本的に底堅い推移を予想する。

予想レンジは5万2500円-5万4000円とする。