主要アセットクラスのパフォーマンス

2025年の主要アセットクラスのパフォーマンス順位は、図表1の通りとなりました。金がトップパフォーマーとなり、市場の注目を集めましたが、同時に銀・銅・プラチナといったほかの貴金属価格の上昇も話題となりました。また、株式・債券ともに新興国資産が相対的に堅調な推移を示している点が特徴的です。

【図表1】主要アセットクラスの年間パフォーマンスランキング
出所:Bloombergよりマネックス証券作成
株式(世界株、米国株、日本株、新興国株)、債券(世界債、米国債、日本債、新興国債)、REIT(世界、米国、JREIT)、その他(商品、原油、金)の主要指数

こうした動きは、一部ではディベースメント取引とも表現されるように、米ドル資産への集中を見直し、実物資産や非米ドル資産へ分散する動きが進んでいる可能性を示唆しているのでしょう。

国内資産に目を向けると、金利上昇が話題となる一方で、本来は金利敏感とされるJ-REITが高いパフォーマンスを記録した点も注目されます。賃料の上昇やインフレ環境の持続を背景に、不動産といった実物資産の価値が素直に評価されている側面があると考えられます。足元の金利上昇は、需給で振られることはありますが、全体として、財政懸念よりもファンダメンタルズの改善を反映した動きの範囲内と考えられます。

米国例外主義から分散化への転換の兆し

これまでの数年間は米国例外主義ともいわれ、米国株式や米ドル資産が選好される局面が続いてきました。しかし2025年に入り、地域・資産クラスの分散が進み始めている兆しが確認されつつあります。チャート上でも、これまでの一方向のトレンドが長期レンジの下限で転換する可能性も感じられ、この傾向が今後も継続するかが注目されます(図表2参照)。

【図表2】
出所:Bloombergよりマネックス証券作成

世界経済全体としては、インフレの落ち着きとともに各国で金融緩和が進み、財政・金融の両面から経済を下支えする環境が続いています(図表3参照)。この点は、リスク資産全般にとって引き続き追い風となる要因です。

【図表3】主要国中央銀行による金融政策の変化
出所:BIS(国際決済銀行)集計39行よりマネックス証券作成

米国経済と政策リスクの所在

そして米国でも、金利は緩やかな低下基調を想定するものの、中間選挙を控えるなかで、政策運営次第では経済の方向性が変化する可能性も否定できません。現在の米国経済は、いわゆるK字型経済と表現されるように、富裕層が恩恵を享受する一方で、低所得層のセンチメントは改善していません(図表4参照)。

【図表4】抑制される低賃金労働者の時給の伸び(時給の伸び前年比%、12ヶ月移動平均)
出所:アトランタ連銀よりマネックス証券作成

2025年に成立したOBBB(ワン・ビッグ・ビューティフル・ビル法=減税・歳出法)と呼ばれるトランプ政策についても、その恩恵は富裕層に偏っており、所得階層間の格差是正には十分に寄与していません(図表5参照)。

【図表5】所得階層別トランプ政策の恩恵
出所:米予算局よりマネックス証券作成

議会では低所得層向けプログラムの削減や再編が議論の中心となっている一方で、低迷する支持率打開に向けて、トランプ米大統領からは住宅市場の活性化や補助金支給など、経済支援に関する発言が日々相次いでいます。

中間選挙の年は、過去の経験則として市場パフォーマンスが振るわない傾向があります(図表6参照)。このままであれば、低所得層中心にセンチメントが盛り上がらない中で、アノマリーに沿った動きが意識されます。一方、追加的な政策対応によって経済が過熱する場合、年後半には利上げ観測が台頭するシナリオも想定されます。

【図表6】大統領選挙サイクルで見た米国株式の平均パフォーマンス
出所:Bloombergよりマネックス証券作成(1928年以降のSP500指数)

資産運用への示唆

FRB(米連邦準備制度理事会)はすでに予防的利下げの局面を終え、2026年は経済の実態をデータで確認する年となります。経済指標やインフレデータが振れやすい一年となることが想定されるなか、資産運用においては特定の資産や地域に一極集中するのではなく、分散を意識したポートフォリオ構築がより重要になる局面といえるでしょう。