2025年の日本株の推移と主因
・春の米国による追加関税発動で日経平均が約1万円下落するも、初夏にV字回復して年央に4万円を回復した。
・夏の参議院選挙を契機に政治刷新期待が台頭し、秋の与党総裁選で女性首相が誕生したことを材料に窓を開けて急伸、一時5万円に到達した。
・10月はAI関連主導で過熱感が強まり、11月以降は5万円近辺で一進一退の持ち合いとなった一方、TOPIXはAI偏重が小さいため過度な上下が少なく、右肩上がりの基調を維持した。
金利上昇と株高の共存
・半導体関連が牽引し、特に大手半導体検査装置株は10月に急騰後、典型的な三尊天井を形成して反落し、下値固めの動きに移行した。
・国内金利上昇と株高が共存し、銀行株の上昇が指数を押し上げた。年後半は金・銀・プラチナや銅など資源価格が広範に強含み、非鉄金属や防衛関連も高値圏を維持した。
2026年の焦点:ガバナンス改定とバリュエーション、前提とリスク
・コーポレートガバナンス・コードが5年ぶりに改定される見通しで、現金偏重の内部留保から設備投資・人材投資・M&A等への資金配分を促す方針に踏み込み、企業の資本効率改善を一段と後押しする。
・2023年春の取引所による「資本コスト・株価を意識した経営」要請を起点に、日経平均のPERは約12倍の底から19倍近辺まで切り上がった。来期EPSを約3,200円とみる前提では、同水準のPER維持で日経平均6万円は正当化されるだろう。
・前提は国内の追加利上げが限定的で過度な円高・金利急騰を回避すること、海外は米国のAI過熱感の行方やデータ混乱解消後に顕在化し得る労働市場の減速、中間選挙などのイベントが不透明要因。ただし米金融当局のスタンスが緩和方向に転じる余地があり、通年では米株も上昇に復帰する可能性がある。
