東京市場まとめ

1.概況

前日の米国市場で主要3指数が揃って反発した流れを受け、日経平均は386円高の49,387円で、反発して寄付きました。11月の米CPI(消費者物価指数)が市場予想を下回ったことで、FRB(米連邦準備制度理事会)による追加利下げへの期待が高まり、ハイテク株を中心に買い戻しが進みました。

前場の日経平均は徐々に上げ幅を拡大する展開となり、567円高の49,568円で前引けとなりました。後場寄り前には、注目されていた日銀金融政策決定会合の結果が公表され、市場予想通り0.25%の追加利上げ(政策金利を0.75%程度に引き上げ)が決定されました。事前の織り込みが進んでいたことからサプライズは乏しく、懸念材料出尽くしとの見方から買い安心感が広がりました。

後場寄り直後の12時31分には765円高の49,766円をつけ、本日の高値を更新しました。その後はやや上げ幅を縮小したものの、底堅く推移した日経平均は、最終的に505円高の49,507円と反発して取引を終えました。

TOPIXは26ポイント高の3,383ポイントで4日ぶりに反発し、新興市場でも東証グロース250指数が11ポイント高の656ポイントと、4日ぶりに反発して取引を終えました。

2.個別銘柄等

三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)は0.8%高の2,449.5円をつけ、4日ぶりに反発となりました。日銀が政策金利を0.75%程度に引き上げる決定をしたことを受け、国内金利の上昇による利ざや収入の増加が業績の追い風になるとの見方から、銀行セクターに買いが入りました。

ソニーグループ(6758)は1.5%安の3,994円をつけ、反落となりました。直近のゲーム関連株は、半導体価格の上昇によるコスト増や年末商戦への期待後退を背景に軟調な推移が続いており、本日も売りが優勢となりました。19日、日本ではキャラクター「スヌーピー」などで知られる漫画「ピーナッツ」の知的財産(IP)を保有する企業の連結子会社化を発表しましたが、材料視した買いは限定的でした。

マツダ(7261)は4.0%高の1,209.5円をつけ、4日ぶりに反発となりました。18日、国内証券が同社の投資判断を3段階で真ん中の「2(中立)」から最上位の「1(アウトパフォーム)」に、目標株価を1,200円から1,400円に引き上げたことが好感されました。

任天堂(7974)は3.0%安の10,650円をつけ、5日続落となりました。主力ゲーム機への期待先行の反動から足元は軟調な推移となっており、18日に外資系証券が目標株価を従来の1万4200円から1万1180円に引き下げたことも、嫌気売りを誘いました。

コンベヤー部品メーカーのJRC(6224)は3.5%高の1,388円をつけ、3日続伸となりました。18日、2026年2月期の純利益予想を従来の11億円から12億円(前期比13.2%増)へ上方修正すると発表し、堅調な業績見通しが買いを呼びました。

VIEW POINT: 明日への視点

米国株高や日銀の利上げ決定という重要イベントを通過したことで、市場には一定の達成感が漂っています。投資家心理の改善により、日経平均は500円を超える反発となりました。来週からはクリスマス休暇に入り、海外投資家の不在により市場参加者が減少する見込みです。年末にかけて株価が上昇しやすいというアノマリー(経験則)がある中、再び節目の5万円台を回復できるかが焦点となります。

今晩は米国で、12月のミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)の発表が予定されており、米国の個人消費の勢いを確認する材料となるでしょう。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)