「レートチェック」を境に米ドル売りが急拡大へ
ヘッジファンドの取引を反映しているCFTC(米商品先物取引委員会)統計の投機筋の米ドル・ポジション(主要5通貨=円、ユーロ、英ポンド、加ドル、豪ドル)による試算は、1月20日時点では小幅な買い越しだったが、その後売り越しに転換すると、2月17日時点では21万枚まで売り越しが拡大した(図表1参照)。
1月23日に、米通貨当局は日本の通貨当局と協調する形で、為替介入の前段階とされる「レートチェック」に動いた。これはあくまで米ドル高・円安へのけん制であり、日米当局による実際の米ドル売りは行われなかったことがその後、確認された。ただこのデータを前提にすると、その「レートチェック」を境に投機筋は米ドル売り拡大に急転換したようだ。
「行き過ぎ」圏に達した米ドル売り・ユーロ買い
このデータを前提にすると、米ドル売り越しの20万枚以上は「行き過ぎ」圏だった(図表2参照)。その意味では、「レートチェック」を境に投機筋の米ドル売りがたった1ヶ月で「行き過ぎ」圏に達するほど急拡大したものの、別の見方をするとすでに米ドル「売られ過ぎ」懸念が強まるところとなった結果、さらなる米ドル売りは限られる可能性もある。
ただ、大幅な米ドル売り越しの対象にはかなり偏りがある。米ドル売り越しの内訳では、最も買い越しが大きかったのはユーロで、一時は20万枚近くまで買い越しが拡大した(図表3参照)。経験的には米ドル売り・ユーロ買いはかなり「行き過ぎ」懸念が強くなった可能性がありそうだ。
豪ドルや円にはさらなる買い余地あり=米ドル売りは続くのか
ユーロに次いで、対米ドルで買い越しが大きくなったのは豪ドルです。ただ豪ドルの買い越しは、2月17日時点で4万枚にとどまっており、ユーロと異なり、米ドルに対してさらに豪ドル買いが拡大する余地はあるのではないか(図表4参照)。
では円はどうか。投機筋の円ポジションは2月17日に買い越しに転じたものの、まだ小幅な買い越しに過ぎない(図表5参照)。その意味では、豪ドル同様に、米ドル売りが続く場合に、円買いがその受け皿になる可能性はあるのではないか。
