2025年12月19日(金)8:30発表
日本 消費者物価指数(全国)2025年11月分

【1】結果:総合指数は0.1%伸び鈍化も、11月のインフレ動向は横ばい圏の動き

2025年11月の全国消費者物価指数は、ヘッドラインである総合指数が前年同月比2.9%上昇となりました。市場予想とは一致し、9月以来2ヶ月ぶりに2%台のインフレ率となりました。

【図表1】2025年10月の全国消費者物価指数の結果
出所:総務省よりマネックス証券作成

生鮮食品を除く総合指数(コアCPI)は、同3.0%の上昇となり、前月から横ばいとなりました。図表2からもわかるように、(生鮮食品を除く)食品は低下傾向となるも、エネルギー関連がそれを相殺しています。また財やサービスは横ばい圏での推移となっています。

変動性の高い生鮮食品・エネルギーを除いた総合指数(コアコアCPI)は同3.0%と前回10月から0.1ポイント伸びが減速しました。季節調整をした前月比は前月比0.2%と前回の同0.4%から落ち着気が見られました。

【図表2】コアCPIの寄与度分解(前年同月比、%、%ポイント)
出所:総務省よりマネックス証券作成

上昇品目・下落品目を見ると、コアCPIを構成する522品目のうち11月は405品目が上昇、36品目が下落、81品目が変わらずとなりました。4%以上上昇する品目に低下傾向が見られ、前月に続きターゲットとされる2%近辺の0~4%上昇となった品目割合が増えています。

【図表3】コアCPI構成品目 前年同月比上昇・下落品目数の割合(レンジ別、%)
出所:総務省よりマネックス証券作成

【2】内容・注目点:サービスインフレはヘッドライン以上に底堅い

より賃金への波及効果が期待される一般サービス(一般の企業等による外食や家事関連、教育、医療サービス等で構成される指標、図表4水色)は、前年同月比2.1%上昇となりました。前回10月からは0.1%ポイント伸びが鈍化したものの、概ね横ばい圏での推移となっています。そのほかのサービス関連の指標も底堅く推移しており、サービスインフレの基調は底堅いものと評価されるでしょう。

【図表4】サービス関連の賃金、物価指標の推移(前年同月比、%)
出所:総務省、日本銀行、厚生労働省よりマネックス証券作成

先行きにおいてもより重要視されるサービスインフレですが、直近においては高いインフレ率を示す品目が増えてきていることがわかります。具体的には、2024年11月における一般サービスを構成する品目では2%台のインフレとなる品目が多かった一方で、直近の2025年11月では5%台のインフレ率となった品目が多い結果となっています。ヘッドラインでは、ウェイトの関係から2%近辺での推移となっているものの、品目ごとにはサービスインフレの底堅さが図表5からも示唆されます。

【図表5】一般サービスのインフレ率毎のシェアの変化(2025年11月と2024年11月の比較)
出所:総務省よりマネックス証券作成

【3】所感:先行きではインフレ鈍化が見込まれる中で、サービスインフレの重要性が高まると予想

2025年12月19日昼過ぎに、日銀金融政策決定会合の結果も公表され、政策金利が0.25%引き上げられ、0.75%となりました。市場ではその先の政策運営に注目している状況です。インフレは、食品類のインフレ鈍化傾向や足元では政府によるガソリン減税などの政策効果からウェイトの大きい品目を中心に鈍化していき、結果として全体もインフレが減速していく見込みと考えられます。

よって、日銀にとってはインフレ鈍化が見込まれる中での利上げを進めていくにあたって、サービスインフレの動向がより重要となるでしょう。上述の通り、足元では堅調さがうかがえるサービスインフレですが、先行きにおいてもその基調を継続できるかがカギとなります。ここまでの春闘や組合からの2026年度の賃上げ要求などから2026年もある程度の賃上げが見込まれ、サービスインフレも底堅い動きが予想されますが、金利水準の上昇に呼応した借入金利の上昇など外部環境が依然とは異なる状況に突入していくことから、日銀は経済へのインパクトをより精査しながら、慎重な政策運営を続けていくとみています。

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太