米利下げ後の米株市場の現状と見通し

・主要株価指数が過去最高を更新し、年初来でも2桁上昇を維持。25bpの利下げ後、年内の追加利下げ2回、さらに先々の段階的な利下げがドットプロットで示唆され、リスク選好が続いている。

・原油・ドル指数・米10年債利回りという「逆風の三要素」はそろって低下基調。ドル指数は高値から10%超の下落と歴史的にも大きい調整で、株式には追い風となっている。半導体一強状態から裾野が広がり、指数内の複数銘柄がS&P500を上回る動きになっている。

・9月後半は統計的に弱く、ユダヤ教の秋の祝祭期に絡むアノマリーで調整しやすい一方、終了後2週間はプラス転換しやすい傾向。大統領サイクル上も第4四半期は平均的に堅調。ボラティリティは低位、個人センチメントは中立圏で過熱感は限定的。

利下げ局面の統計と割高感の捉え方

・1994年以降の利下げ37回では、3ヶ月後+1.9%(勝率57%)、6ヶ月後-4.5%(38%)、12ヶ月後+7.3%(54%)と結果はまちまち。ただし「過去最高値の前後2週間に利下げ」のケースでは3/6/12ヶ月後がそれぞれ+3.4%/+5.0%/+14.5%と相対的に良好。

・S&P500の予想PERは高めだが、利益成長が続けばバリュエーションは自然に低下。直近の決算は前年比+10.8%、今後も一桁後半の伸び見通しが並び、通年でも今期+9%強、来期以降も2桁増益のコンセンサスが続く。

・過度な割高感のみでの売り判断は妥当とは言い難く、必要な調整は価格下落か時間経過で解消し得るという前提。昨年強かったリセッション懸念ワードの頻度は今年は大幅に減少しており、環境は昨年より安定的。

AI相場の持続性と関連テーマの広がり

・AIブームは1990年代のITブーム初期と同様、立ち上がり局面との見立て。単一企業への偏重から、半導体・データセンター建設・電力・設備サービスなど関連インフラ全体へ波及が進行。

・大規模な計算資源契約の報道やM&A、IPO再開などが追い風。住宅では金利低下を背景に需給改善が期待され、金融や一部バリュー領域にも物色が広がる余地。

・大型テック内ではローテーションが常態で、年ごとの勝ち負けが分かれるのが通例。短期の調整は繰り返し起こり得るが、長期の構造テーマは継続という前提で捉えている。

為替と新興国の位置づけ、インドの評価見直し

・為替相場の動向を予想することは難度が高く、過度に気にすると投資行動を阻害しやすいとのスタンス。直近は利下げ後に米ドル安が広がり、米国株式には追い風の状況。

・新興国は年初来で存在感を高める地域があり、長期の成長を取り込むという観点での配分維持が重要。短期の上下で一喜一憂しない時間分散が有効。

・インドは足元で相対的に出遅れ、バリュエーション・プレミアムが過去平均近辺まで低下。内需依存の収益構造ゆえに関税政策の影響は限定的で、政策金利低下や国内資金の下支えもあり、再評価の余地がある。

政策環境とセクター別の着眼点

・関税強化の議論が続き、輸入物価上昇の影響は銘柄ごとに濃淡がある。内需比率が高い地域や価格転嫁力の高い小売は耐性があり、航空・防衛などは国際的な大型発注で追い風。利下げ恩恵は小型株に波及しやすいだろう。

・医療では薬価引き下げ圧力や監視強化が逆風。保険・製薬にはコスト増・規制不確実性が残る一方、サプライチェーンの米国の国内強化方針も論点。

・エネルギー技術では小型原子炉など新技術が選択肢に浮上するが、認可・コスト・資金調達などの不確実性は大きい。AIインフラ向けのクラウドや半導体周辺は高成長だが、未黒字・高ボラで時間分散が前提。待機資金はマネー・マーケット残高が高水準にあり、利下げ進行で株式などへ徐々に回帰する可能性がある。

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