東京市場まとめ

1.概況

日経平均は続落して寄付きました。本日は9月末の配当権利落ち日であり、配当落ち分が下押しされる中で、徐々に下げ幅を拡大しての推移となりました。朝方からドル円が円高・ドル安に推移したほか、四半期末とあって機関投資家らのリバランス目的の売りが出ているとの見方などが相場の重荷となり、462円安の44,892円で前引けとなりました。

後場は押し目買いも入り、序盤は下げ幅を縮小する展開となりました。一方で、週末に控える自民党総裁選など不透明な要因から積極的な買いは避けられ、徐々に軟調な推移となった日経平均は最終的に311円安の45,043円で大引けとなりました。

新興市場では東証グロース250指数が反落、0.9%安で取引を終えました。

2.個別銘柄等

SUMCO(3436)は6.7%高の1,523円をつけ大幅反発となりました。国内証券が26日付で、同社の投資判断を3段階で真ん中のニュートラル(中立)から最上位のバイ(買い)に、目標株価を1,100円から2,100円に引き上げ、これを材料視した買いが入りました。

IHI(7013)は基準値比で一時6.7%高の2,656.5円を付け株式分割考慮後の上場来高値を更新しました。9月30日を基準日として1株を7株に分割する株式分割を実施するにあたり、本日の売買から必要な最低金額が大幅に下がったことで、個人投資家などによる新たな買いが入ったと考えられます。

JX金属(5016)は一時、基準値比7.0%高の1,911円をつけ大幅反発となりました。26日、銅リサイクル事業で使うスクラップの前処理能力を強化するため、大分市の主力製錬所に約70億円を投資すると発表しました。これにより利益を出しやすいリサイクル由来の銅の生産を増やして収益性を高める方針で、この発表を好感した買いが集まりました。

フィットネスクラブ運営のフィットイージー(212A)は一時、9.8%高の3,600円を付け上場来高値を更新しました。東京証券取引所が26日、同社について、10月15~20日のいずれかの日にスタンダード市場からプライムに市場変更すると発表し、プライム上場銘柄となれば機関投資家などの資金流入が見込まれるとして、この発表を好感した買いを集めました。

本日ソニーグループ(6758)からパーシャルスピンオフによって上場したソニーフィナンシャルグループ(8729)は173.8円で初日の取引を終えました。初値は205円と公開価格の150円を上回るも、事前に需給を調べる通常の新規公開株式(IPO)とは違った形式とあって、株価判断の難しさが換金売りを促しているとの見方などあり、初値比では15.2%安となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

日経平均は配当落ち日にあたり、配当落ち分で約300円下押しされる中で、最終的には311円安と小幅安で取引を終えました。日中に行われた日銀野口審議委員の講演では、ハト派で知られる同氏が政策金利調整の必要性が高まっているとし、次回の利上げが意識されたことも市場の重荷となりました。

明日に向け、イスラエルのネタニヤフ首相とトランプ米大統領とのホワイトハウスでの会談が材料に挙げられますが、株式市場への影響は限定的と考えられます。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)