【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 45,490.92  ▼220.42 (9/10)
NASDAQ: 21,886.06  △6.57 (9/10)

1.概況

前日の米国市場は高安まちまちとなりました。朝方に発表された米生産者物価指数(PPI)は市場予想を下回る内容となり、利下げ期待の高まりにつながったものの翌日に発表される米消費者物価指数(CPI)の内容を見極めたいとの思惑から、後半には様子見ムードが広がり伸び悩みました。

ダウ平均は20ドル高の45,731ドルで取引を開始しましたが、早々に下落に転じ、その後は終始軟調な推移となりました。前日には最高値を更新していたこともあり、利益確定の売りが出やすく、加えてCPIの発表を待ちたいとの思惑から、上値も重く最終的には220ドル安の45,490ドルで取引を終えました。

一方でハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は3日続伸となる、6ポイント高の21,866ポイントとなり、連日で最高値を更新しました。S&P500株価指数も同じく3日続伸、19ポイント高の6,532ポイントで取引を終えました。

2.経済指標等

PPIはコア指標が前月比0.1%低下と市場予想を大幅に下回りました。前年比では2.8%上昇と市場予想・前回結果をともに下回り、伸びの減速が示されました。

3.業種別動向

S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち5業種が上昇しました。エネルギーと情報技術が1.8%の上昇となったほか、公益事業が1.7%上昇となりました。そのほか2業種は1%未満の上昇となった一方で、6業種が下落し、一般消費財・サービスが1.6%の下落で下落率トップとなりました。生活必需品は1%程度の下落、そのほか4業種は1%未満の下落となりました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中9銘柄が上昇となりました。エヌビディア[NVDA]が3.9%高となり、構成銘柄中の上昇率トップとなりました。シェブロン[CVX]、シスコシステムズ[CSCO]、キャタピラー[CAT]の3社が1%台の上昇となりました。一方で21銘柄が下落となりました。セールスフォース[CRM]が3.8%安で下落率トップとなったほか、アマゾン・ドットコム[AMZN]とアップル[AAPL]が3%台の下落となりました。マクドナルド[MCD]が2%台の下落となり、6銘柄が1%台の下落となりました。

ダウ平均構成銘柄以外では、前日に決算を発表したソフトウェアのオラクル[ORCL]はAI向けクラウドサービスの需要が強く、堅調な受注動向が好感され36.0%上げ大幅高となりました。ゲームストップ[GME]はハードウェアの純売上が市場予想を上回り3.3%高となりました。電子設計自動化ソフトウェアのシノプシス[SNPS]は調整後EPS(1株当たり利益)が市場予想を下回ったことが売り材料となり、35.8%下げ大幅安となりました。

5.為替・金利等

長期金利は、前日から0.04%低い4.04%となりました。一時は5ヶ月ぶりの低水準まで低下が見られました。11日朝のドル円は147円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

前日の米国市場は高安まちまちとなりました。PPIの低下が利下げ期待を高めるも本日発表のCPIを注目している様子がうかがえました。これを受けて日本市場も小動きでのスタートが予想される一方で、半導体には買いが目立ったことから、値がさの半導体関連銘柄には買いが入ると考えられます。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)