東京市場まとめ

1.概況

日経平均は前営業日比874円安の57,976円で反落して取引を開始しました。米国とイスラエルがイランへの軍事攻撃を始め、イランの最高指導者ハメネイ師の死亡が報じられるなど、地政学リスクの高まりからリスク回避の売りが出ました。序盤に大きく下げた日経平均は、9時29分に1,564円安の57,285円で、この日の安値をつけました。その後は持ち直し、下げ幅を縮小した日経平均は899円安の57,950円で前引けとなりました。

後場は58,000円付近で、一進一退で推移しました。指数寄与度の大きい半導体などが軟調で、日経平均も弱含むと、最終的には793円安の58,057円と5営業日ぶりに反落しました。

TOPIXは40ポイント安の3,898ポイントで同じく5営業日ぶりに反落、新興市場では東証グロース250指数が9ポイント安の768ポイントで4営業日ぶりに反落しました。

2.個別銘柄等

INPEX(1605)は一時10.8%高の4,210円をつけ、株式分割考慮後ベースの上場来高値を更新しました。米国とイスラエルによるイラン攻撃という中東情勢の悪化から、2日朝の取引でニューヨーク原油先物相場が急伸したことで、同社には採掘する原油収益の拡大などへの思惑から買いが集まりました。

アドバンテスト(6857)は3.9%安の25,800円をつけ3日続落となりました。2月27日の米国市場では、主要な半導体で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が1.2%安となるなど、米半導体株安を受けて、週明けの日本市場でも半導体銘柄に売りが出ました。一部には、リスクオフ姿勢が利益確定売りにつながったとの見方もでています。

日本航空(9201)は5.9%安の3,038円をつけ5営業日ぶりに反落となりました。原油高を背景とした、コスト増懸念が売り材料となりました。同社は2月28日、中東情勢の悪化を踏まえ、運航の安全が十分に保たれていることが確認できるまでの間、羽田空港とカタールの首都ドーハを結ぶ便について運航を見合わせると発表しています。

江崎グリコ(2206)は一時1.8%高の6,173円をつけ、昨年来高値を更新しました。先週2月27日、「ポッキー」や「100%果汁飲料」といった菓子やチルド商品など45品目を値上げすると発表しました。値上げは2026年5月1日出荷分からとし、これによる採算改善による業績押し上げを見込んだ買いが優勢となりました。

健康食の宅配会社であるファンデリー(3137)は一時、ストップ高水準となる34.0%高の315円をつけ、大幅高となりました。2月27日、2026年3月期(今期)の最終損益は6400万円の黒字を見込むと発表しました。従来予想の2600万円の黒字からの上方修正で、前期の1億8300万円の赤字から大幅な黒字転換見込みが買い材料視されました。

VIEW POINT: 明日への視点

米国株安や地政学リスクの高まりから、リスクオフ姿勢が顕著となりました。原油高を受け、石油石炭製品セクターや電線株などは買われており、相場全体の地合いはそう悪くない印象です。

明日に向けて、今晩米国で2月のISM非製造業景気指数が発表されるほか、明日3日には、国内で2025年10-12月期の法人企業統計が発表される予定です。また、明日より6日まで開催されるFINTECH SUMMITで、植田日銀総裁の挨拶が予定されています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)