東京市場まとめ

1.概況

日経平均は224円高の41,283円と続伸して寄付きました。前日の米国市場ではナスダック総合株価指数が上昇した流れを引き継ぎ、日本市場も買いが優勢で取引を開始しました。またTOPIX(東証株価指数)も強含み、取引時間中として初の3,000ポイントを上回りました。日米間で認識の違いが指摘されていた関税合意については、米国側が大統領令を修正すると報じられたことで買い安心感につながり、日経平均は909円高の41,968円で前引けとなりました。

後場も高値圏で取引を開始しましたが、週末とあって徐々に上げ幅を縮小し、最終的に761円高の41,820円で大引けとなりました。新興市場では東証グロース250指数が反落、0.1%安で取引を終えました。

2.個別銘柄等

ソフトバンクグループ(9984)は一時14.6%高の14,390円をつけ年初来高値を更新しました。7日、2026年3月期の第1四半期決算を発表し、投資事業のビジョン・ファンドの収益拡大が貢献したことで、最終損益が4,218億円となりました。前年同期は1,742億円の赤字であり黒字転換となったことが好感されました。

中外製薬(4519)は17.7%安の6,092円をつけ、大幅続落となりました。7日に米製薬大手イーライ・リリー[LLY]が発表した肥満症治療薬の臨床試験結果が、市場の期待に届かない内容であったと伝わり、前日の米株式市場でイーライ・リリー株が急落しました。中外製薬はイーライ・リリーに同薬の開発・販売権を譲渡しており、実用化すればロイヤルティー収入が支払われる見込みであったことからイーライ・リリー株の急落を受けて、同社にも連想売りが出ました。

医療機器メーカーのテルモ(4543)は8.1%高の2,735.5円をつけ大幅反発となりました。7日、2026年3月期第1四半期決算を発表し、純利益が前年同期比23.5%増の418億円となり、増益を好感した買いが入りました。

自動搬送システム大手のダイフク(6383)は一時14.8%高の4,564円をつけ年初来高値を更新しました。7日、2025年12月期(今期)の当期純利益が680億円になる見通しだと発表し、市場予想を上回るガイダンスを好感した買いが優勢となりました。年間配当も従来計画の64円から4円増額となる68円を見込むとしています。

厨房機器大手のホシザキ(6465)は13.2%高の5,877円をつけ3日続伸となりました。7日、2026年12月期の中間決算を発表し、営業利益は前年同期比11.2%増の304億円と過去最高益であったことから、好調な業績を好感した買いが集まりました。株価指数を算出するエムエスシーアイ[MSCI]は、代表的な株価指数である「グローバルスタンダード指数」の構成銘柄の定期見直しを行い、日本からは同社を含む5銘柄が除外となったが、これを売り材料視した動きは限定的となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

日経平均は週間で2.5%高となり、TOPIXは初の3,000ポイント超えとなる、週間2.6%高の3,024ポイントで取引を終えました。

来週に向けて、目先の材料は本日の大引け後も続いている自民党の両院議員総会における石破首相の進退があげられます。また、来週は7月の米CPI(消費者物価指数)の発表が注目されます。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)