【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 44,111.74  ▼61.90 (8/5)
NASDAQ: 20,916.55  ▼137.03 (8/5)

1.概況

前日の米国市場は主要3指数が揃って下落となりました。ダウ平均は26ドル高の44,200ドルと小幅高で取引を開始しました。その後に発表されたISM非製造業景気指数が市場予想を下回り、また前回結果から悪化となったことが株式市場を下押しし、全体的に軟調な展開となりました。トランプ大統領が半導体や医薬品への関税に言及したことも、個人消費への懸念を生み、株式市場には重荷となりました。中ごろには上昇に転じる場面が見られましたが、伸び悩み方向感に欠ける展開となったダウ平均は最終的に61ドル安の44,111ドルで取引を終えました。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は137ポイント安の20,916ポイントで反落となりました。S&P500株価指数は30ポイント安の6,299ポイントとなり、こちらも反落となりました。

2.経済指標等

7月の米貿易収支は602億ドルの赤字となり、市場予想(620億ドルの赤字)を下回りました。8月の米ISM非製造業景気指数は50.1と、前月の50.8から低下し、市場予想も下回りました。

3.業種別動向

S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち4業種が上昇しました。素材や一般消費財・サービス、不動産などが1%未満の小幅高となっています。一方で、情報技術やコミュニケーション・サービス、公益事業などの7業種が下げ、そのうち公益事業は1%以上下落となりました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は12銘柄が上昇し、ユナイテッドヘルス・グループ[UNH]が4%を超えて上昇したほか、スリーエム[MMM]が1.5%上昇しました。その他、シェブロン[CVX]やシャーウィンウィリアムズ[SHW]、ホームデポ[HD]、メルク[MRK]など5銘柄が1%以上上昇しています。一方で、18銘柄が下落し、セールスフォース[CRM]やマクドナルド[MCD]が1%台後半の下落となりました。また、マイクロソフト[MSFT]やシスコシステムズ[CSCO]、ビザ[V]は1%超半ば程度の下落となりました。

ダウ平均構成銘柄以外では、ビッグデータ分析のパランティア・テクノロジーズ[PLTR]は市場予想を上回る決算内容が好感され7.8%上昇しました。ファイザー[PFE]も第2四半期決算は増収増益となったほか、売上高が市場予想を上回ったことが買い材料となり、5.2%上昇しました。一方で、ソフトウェアのガートナー[IT]は通期での調整後EPS(1株当たり純利益)を下方修正したことが嫌気され、27.6%と大幅下落となりました。

5.為替・金利等

長期金利は、前日から0.02%高い4.21%となりました。6日朝のドル円は147円台半ばで推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

ISM非製造業景気指数の結果やトランプ大統領の業種に対する関税賦課発言が株式市場を下押ししました。米国市場の下落を受けて、日本市場も軟調なスタートが予想されます。

そのほか、本日の材料は6月の実質賃金が発表されるほか、取引時間中に川崎重工業(7012)や鹿島建設(1812)など主力銘柄の決算発表が予定されています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)