東京市場まとめ
1.概況
日経平均は45円高の39,864円で反発し寄付きました。前日の米国市場はハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数が最高値を更新し、日本市場でも半導体関連銘柄に買いが入ってのスタートとなりました。週末に行われた参議院選挙では、与党が過半数の議席を獲得できず大敗となるも、市場はすでに織り込み済みとの見方から波乱材料とはならず、堅調な推移となりました。9時16分に456円高の40,275円をつけ本日の高値を更新しましたがその後は伸び悩み、39,900円近辺で一進一退の推移となった日経平均は73円高の39,892円で前引けとなりました。
後場は一転して下落する展開となりました。軟調に推移した日経平均は13時12分に232円安の39,586円をつけ本日の安値を更新しました。その後も安値圏での推移となり、買い材料にも欠けたことで、最終的には44円安の39,774円で大引けとなりました。
新興市場では東証グロース250指数が反発、0.7%高で取引を終えました。
2.個別銘柄等
三菱重工業(7011)は6.2%高の3,410円をつけ3日ぶりに反発となりました。日本経済新聞が「関西電力(9503)が原子力発電所の建設調査を始める」と報じ、原発の設計や建設を手掛ける同社に対し、将来的な業績貢献の思惑から買いが入りました。同報道を受けて、関西電力も3.6%高の1,778円と続伸で取引を終えています。
イオン(8267)は一時2.1%高の4,770円をつけ年初来高値を更新しました。20日に投開票となった参院選挙では与党の議席が過半数を下回る結果となり、これにより野党が要求する減税が実現し、消費を喚起していくとの思惑が買いを呼びました。
荏原製作所(6361)は4.2%安の2,839.5円をつけ3日ぶりに反落となりました。欧州の同業他社である産業機械大手アトラスコプコが直近の決算発表で、将来の売上につながる受注高が前年同期比8%減であったと発表し、同業の受注減少から、同社にも先行きを警戒した連想売り出たとされています。
ライフネット生命保険(7157)は4.9%高の2,184円をつけ大幅反発となりました。東京証券取引所は現在、東証グロース市場に上場している同社の市場区分を25日付で東証プライムに変更すると発表し、これによる投資家層の拡大を期待した買いが優勢となりました。
リサイクルショップ大手のコメ兵ホールディングス(2780)は3.9%高の2,850円をつけ大幅反発となりました。6月のブランド・ファッション事業の月次売上高が前年同月比44.1%増の162億円と前月から伸び率が加速するなど、好調な売上動向を好感した買いが入りました。
VIEW POINT: 明日への視点
参議院選挙を通過し、前場の日経平均は買いが優勢で推移するも後場は軟調な推移となりました。石破首相の辞任可能性など、国内情勢もさることながら市場の注目は来月1日から適用となる関税率に移っており、交渉の進展が見られるかが鍵となるでしょう。しかしながら、残された時間で米国から譲歩を得られる可能性は低いと考えられ、今週においては上値を試す展開とはなりづらいと予想されます。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)
