東京市場まとめ
1.概況
日経平均は81円安の39,729円で寄付きました。先週末の米国市場は休場であったことから、手掛かりが乏しい中で主力株が売られてのスタートとなりました。また、4日大引け後に決算発表を行った安川電機(6506)は、今期の業績を下方修正したことから大幅安となり、そのほかの機械株にも売りが波及しました。前場中ごろには39,539円まで下落し、その後も安値圏での推移が続いた日経平均は、182円安の39,628円で前引けとなりました。
後場も基調は変わらず、引き続き安値圏での推移となりました。材料に乏しい中、株価指数先物に散発的な売りが出たことで、日経平均は徐々に下げ幅を拡大し、大引け間際の15時24分には286円安の39,524円をつけ、本日の安値を更新しました。終値では下げ幅をわずかに縮小し、223円安の39,587円となりました。
新興市場では東証グロース250指数が続伸し、1.1%高で取引を終えました。
2.個別銘柄等
安川電機(6506)は10.3%安の2,830.5円をつけ、大幅続落となりました。4日の取引終了後に、2026年2月期(今期)の営業利益が前期比14.3%減の430億円になる見通しだと発表し、従来は20%の増益を見込んでいた予想から一転して減益予想となったことを嫌気した売りが優勢となりました。
日産自動車(7201)は4.9%安の336.9円をつけ、続落となりました。7日に、手元資金の確保のため海外市場で新株予約権付社債(転換社債)を発行し、約1,500億円を調達すると発表したことで、将来的な株式転換による需給悪化への懸念から売りが出ました。
良品計画(7453)は一時4.9%高の7,257円をつけ、年初来高値を更新しました。国内証券が4日付の投資家向けリポートで、同社の目標株価を従来の4,400円から7,700円に引き上げたことを材料視した買いが入りました。
日本マクドナルドホールディングス(2702)は0.3%高の5,970円をつけ、上昇となりました。4日に発表した6月の既存店売上高は前年同月比3.6%増となり、6ヶ月連続で前年実績を上回る内容となったことで、増収基調の継続が好感され、買いが入りました。
レシピ動画プラットフォーム「クラシル」などを運営するdely(299A)は6.4%高の1,735円をつけ、4日ぶりに反発となりました。国内証券が4日付で同社の投資判断を5段階で上から2番目の「2(アウトパフォーム)」とし、目標株価を足元の水準を上回る2,000円で調査を開始したことが明らかとなり、これを材料視した買いが入りました。
VIEW POINT: 明日への視点
日経平均は3日ぶりに反落し、223円安となりました。広範な銘柄に売りが出る一方、買い材料は乏しく、終始軟調な推移となりました。明日も関税政策への懸念から上値は重く、加えて上場投資信託(ETF)の分配金捻出売りが出る可能性があるため、大引けにかけて日経平均に下押し圧力がかかる展開が想定されます。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)
