今週(3月28日~4月3日)の相場動向
相場回顧 BTC(ビットコイン):米国のスタグフレーション懸念と関税リスクで下落
ビットコインは、米国のスタグフレーション懸念とトランプ関税を巡る動揺が広がり、下落基調が続いた。3月の米PCE価格指数とミシガン大学消費者信頼感指数では、消費減速とインフレ長期化が示唆され、米国株が大幅下落。これにより、ビットコインもBTC=82,000ドル(約1,201万円)付近まで大きく下落した。
その後、米国株の反発を受け、ビットコインも買い戻しが優勢になった。マイクロストラテジー クラスA[MSTR]やメタプラネット(3350)など企業によるビットコイン購入が相場を支えたほか、ブラックロックによるビットコインETFの欧州展開が好材料となり、BTC=87,000ドル(約1,275万円)付近まで回復した。
しかし、米国政府による相互関税発表前には、リスクオフの動きが再燃し、ビットコインは再びBTC=83,000ドル(約1,216万円)付近まで急落した。トランプ米大統領の会見では想定していた以上に厳しい関税策が示され、各国市場の動揺が広がる中、ビットコインも不安定な値動きとなった。

来週の相場予想(4月4日~4月10日)
BTC(ビットコイン)は貿易摩擦とインフレ指標の不透明感に影響されるが、市場では新たな動きにも期待
来週のビットコインは、米国の相互関税策を受けた各国の対応と主要経済指標の発表によって左右される展開を予想。ベッセント財務長官は報復関税の動きをけん制する発言をしたものの、欧州や中国が対抗措置に踏み切った場合、市場のリスクオフが加速し、ビットコインにも売り圧力がかかる可能性がある。一方、大きな対立が回避されれば、材料出尽くしとの見方から買い戻しが強まることも想定される。
また、3月の米消費者物価指数が市場予想を上回れば、インフレ懸念が強まり、リスク資産全体が下落する恐れがある。一方、FOMC(連邦公開市場委員会)議事要旨で利下げや量的引き締めの減速に関する前向きな議論が見られれば、市場の安心感につながり、ビットコインの下支え要因となるだろう。
このように、短期的には貿易摩擦やインフレ指標の不透明感が相場の重しとなる。しかし、ステーブルコイン大手であるサークル(シンボル:CRCL)のIPO申請やブラックロックETF(シンボル:IB1T)の欧州展開、国内金融機関のステーブルコイン参入といった新たな動きもあり、ビットコインを巡る投資環境を総悲観する必要はないだろう。
直近の価格レンジとして、上値はBTC=90,000ドル(約1,319万円)、下値はBTC=78,000ドル(約1,143万円)を意識する。