今週(11月22日~11月28日)の相場動向

相場回顧 BTC(ビットコイン):買いは継続するも10万ドル手前で失速

ビットコインはBTC=1,515万円(100,000ドル)を目前にして利益確定売りに押される展開となった。

米国では、去就が注目されていたゲンスラーSEC(米国証券取引委員会)委員長が退任を表明し、暗号資産規制緩和への期待が高まった。また、マイクロストラテジー[MSTR]やマーラ・ホールディングス[MARA]など企業によるビットコイン購入が相次いだ。その中、連日でビットコイン現物ETFへ数億ドル規模の資金流入があり、BTC=1,507万円(99,500ドル)付近まで大きく上昇した。

しかし、ビットコインは節目となるBTC=1,515万円(100,000ドル)手前で失速し、上値が重くなった。市場ではより大きなボラティリティを求めてアルトコインを物色する動きが強まり、ビットコインは次第に売りを強めた。その後、イスラエルとヒズボラの停戦報道を受けて中東リスクが後退すると、金が急落し、ビットコインもデジタルゴールドとしての魅力が薄れて下落した。短期的な調整売りも意識されてか、BTC=1,378万円(91,000ドル)付近まで大きく値を下げた。

米国でトランプ次期政権の重要ポストに暗号資産支持派が就くことが次々に報じられる中、ビットコインはBTC=1,469万円(97,000ドル)付近まで大きく反発した。カナダやブラジルでビットコイン準備金について議論する動きがあったことも好感された。しかし、FOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨やPCE指数を受けて追加利下げ観測が後退したこともあり、上値の重い展開が続いた。

 

来週(11月29日~12月5日)の相場予想

BTC(ビットコイン)は上昇相場の継続を予想するが、トランプ・トレードの巻き戻しリスクには警戒

米国では、トランプ次期大統領が中国、カナダ、メキシコに対する関税強化を表明したが、ベッセント氏の財務長官指名に対する期待もあり、株式市場の動揺は限定的となっている。引き続き、次期政権の政策や人事に関する発表を受け、相場が一喜一憂する展開になるだろう。

来週も上昇相場の継続を予想するが、トランプ・トレードの巻き戻しリスクは警戒する必要があるだろう。

11月雇用統計がFOMCでの連続利下げを否定する内容となった場合、米国株や暗号資産の売り圧力が強まる恐れがある。また、中東情勢の安定化により、金の反動売りがさらに強まった時は、ビットコインも同様に下落するリスクがある。12月に入れば税金対策の売りも本格化するため、市場が売りに傾いた時は下げ幅が大きくなることも考えられるだろう。

暗号資産市場では、ビットコインの上昇が一服し、アルトコインの売買が活発になっている。リップルやソラナなど個別銘柄で大きな利益が期待できる一方で、アルトコイン物色が一巡した後はビットコインの急落が起こる傾向がある。そのためビットコインのドミナンス低下の動向には注意したい。

直近の価格レンジとして、上値はBTC=1,515万円(100,000ドル)、下値はBTC=1,363万円(90,000ドル)を意識する。