【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 42,931.60  ▼344.31 (10/21)
NASDAQ: 18,540.01  △50.45 (10/21)

1.概況

米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均は連日で過去最高値を更新しており、前週まで6週連続の上昇で2,900ドルあまり上昇していたため、目先の過熱感や高値警戒感から53ドル安で取引が始まりました。その後は、9月の米景気先行指数が予想以上に悪化したことや長期金利の上昇を警戒する売りから、一時は398ドル超の下落となりました。特に目立った材料がないなかその後も軟調に推移し、最終的にダウ平均は344ドル(0.79%)安の42,931ドルで取引を終え、4日ぶりに反落しました。また、S&P500株価指数は10ポイント(0.18%)安の5,853ポイントとなり、反落しました。一方で、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は、エヌビディア[NVDA]やアップル[AAPL]の上昇に支えられ、50ポイント(0.27%)高の18,540ポイントで取引を終え、4日連続で上昇しました。

2.経済指標等

9月の米景気先行指数は、前月比-0.5%となり市場予想を下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は、全11業種のうち情報技術のみが1%近く上昇しました。一方、情報技術以外の10業種は下落しており、特に不動産が2%超、ヘルスケアが1%超の下落となりました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では7銘柄が上昇しました。特に、従業員によるストライキが続くボーイング[BA]は、35%の賃上げを含む新たな労働協約を労働組合に提示し、ストライキ終了の可能性がある暫定合意に達したことで、3%超上昇しました。また、アップル[AAPL]、ユナイテッドヘルス・グループ[UNH]、インテル[INTC]なども上昇しました。一方、23銘柄が下落し、アメリカン・エキスプレス[AXP]、メルク[MRK]、トラベラーズ[TRV]、ホーム・デポ[HD]、ゴールドマン・サックス[GS]が2%超の下落となりました。

ダウ平均構成銘柄以外では、スピリット航空[SAVE]が銀行と社債償還期限の延長で合意したことを受け、53.1%上昇しました。また、タイレノールやリステリンなどのヘルスケア消費財メーカーであるケンビュー[KVUE]も、ウォール・ストリート・ジャーナル紙が物言う投資家スターボード・バリューが株式を取得したと報じたことを受け、5.5%上昇しました。一方、宅配大手のユナイテッド・パーセル・サービス[UPS]はアナリストによる投資判断の引き下げを受け、3.4%下落しました。電気自動車メーカーのテスラ[TSLA]は、10月23日の第3四半期決算を控える中で、0.8%下落しています。決算の注目は利益率で、市場では前年同期の7.6%から約8%に上昇すると予想されています。

5.為替・金利等

長期金利は0.11%上昇して4.19%となり、7月以来およそ3ヶ月ぶりの高水準に達しました。ドル円は円安方向に動き、150円を突破し、朝方には150円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は、米国ハイテク株の上昇やドル円が円安方向に展開したことを受けて、反発してのスタートが予想されます。日経平均先物も上昇しており、反発が期待される日経平均ですが、前日まで9日連続で始値よりも終値が低い「陰線」が続いており、本日も欧州投資家が取引を開始する午後の動きがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)