東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は反落となりました。49円高の36,882円で寄り付いた日経平均は直後に54円高の36,887円を付けましたが、伸び悩むとマイナスに転じ下げ幅を広げ326円安の36,507円で前場を終えました。

327円安の36,505円でスタートした後場の日経平均はまもなくして391円安の36,441円まで下落しましたが、節目の36,500円を割り込んだところで下げ渋ると14時10分過ぎには90円安の36,742円まで戻しました。しかし、上値は重くその後引けにかけて下げ幅を広げると結局251円安の36,581円で取引を終えています。

こうしたなか新興市場も安く東証グロース市場250指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

東建コーポレーション(1766)が一時10.8%高となりました。価格改定後の完成物件が増え利益率が改善したことなどにより第1四半期の営業利益が前年同期比で72.5%増となり、通期予想に対する進捗率が36.5%となったことで業績の上振れを期待した買いが入りました。

パワー半導体を手掛けるサンケン電気(6707)も一時6.5%高となりました。旧村上ファンド出身者が設立した投資ファンドのエフィッシモ・キャピタル・マネージメントがサンケン電気株を買い増したことが関東財務局に提出した変更報告書で明らかとなったことで大幅高となりました。

葬儀関連サービスを手掛ける鎌倉新書(6184)も20.0%上昇しストップ高となりました。株主還元方針をこれまでの安定配当方針から転換し、進行中の3か年中期経営計画の最終年度までの3年間の限定措置として、年間配当を配当性向100%または1株当たり20円のいずれか低いほうにすると発表したことで買いを集めました。

また、三越伊勢丹ホールディングス(3099)が投資判断の引き上げを受けて一時6.2%高となったほか、クラレ(3405)も目標株価の引き上げを受けて一時6.4%高となり年初来高値を更新しました。

東証スタンダード市場ではアートネイチャー(7823)が6.8%高となりました。男性向けオーダーメイドウィッグや増毛、ヘアケア商品などの伸長で、8月度の単体売上高が前年同月比4.0%増となり、2ヶ月ぶりに前年実績を上回ったことから上げ幅を広げました。

一方で本決算を発表したビジョナル(4194)が一時14.8%安となりました。主力の転職支援サイト「ビズリーチ」の利用が堅調に推移するとみられることなどから2025年7月期の営業利益が前期比で7.4%増となる見通しを示しましたが、市場予想に届かなかったことで売りが優勢となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は251円安となりました。昨日の米国市場が続伸となったことで買いが先行しましたが、昨日に今年3番目の上げ幅を記録していたこともあって伸び悩むと、140円台後半まで円高が進んだこともあり下げ幅を広げ後場寄り直後には390円以上下落する場面もありました。

しかし、その後節目の36,500円を小幅に下回ったところで下げ渋ると、円高がやや一服となったこともあって90円安まで下げ幅を縮める場面もありました。そのためFOMC(米連邦公開市場委員会)や日銀の金融政策決定会合など重要イベントが控えるなかで、来週もドル円の動向に神経質な展開が続きそうです。

なお、日本時間の本日21時30分に8月の米輸出入物価指数が発表されるほか、23時には9月の米ミシガン大学消費者態度指数速報値が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)