東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は8日ぶりに大幅反発となりました。565円高の36,185円でスタートした日経平均は寄り付きをほぼ安値に上げ幅を広げると取引開始から40分弱で1,253円高の36,873円まで上昇しましたが、買い一巡後に伸び悩むと10時10分過ぎには838円高の36,458円まで上げ幅を縮めました。

しかし、後場に入って再び上げ幅を広げると14時50分過ぎに1,282円高の36,902円まで上昇し結局1,213円高の36,833円で取引を終えています。

こうしたなか新興市場も高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

セブン&アイ・ホールディングス(3382)が一時7.3%高となり上場来高値を更新しました。カナダのアリマンタシォン・クシュタールがセブン&アイ・ホールディングスに対する買収提案額の引き上げについて協議していると伝わったことから上げ幅を広げました。

昨日の米国市場でエヌビディア[NVDA]が8%以上上げるなど半導体株が大幅高となった流れを受けて日本市場でも半導体関連株が買われました。東京エレクトロン(8035)が一時7.7%高、SCREENホールディングス(7735)が一時6.5%高、アドバンテスト(6857)が一時9.5%高、レーザーテック(6920)が一時6.6%高、ディスコ(6146)が一時8.2%高、ソシオネクスト(6526)も一時6.8%高となりました。

また、ソフトバンクグループ(9984)も昨日の米国市場で傘下の英半導体設計大手のアーム・ホールディングス[ARM]が10%余り上昇したことから一時8.5%高となっています。

142円台後半まで進んだ円安を受けて自動車株も買われました。トヨタ(7203)が一時3.9%高、日産(7201)が一時2.7%高、ホンダ(7267)が一時4.2%高、マツダ(7261)が一時2.8%高、SUBARU(7270)も一時3.8%高となりました。

第1四半期決算を発表したVチューバーのマネジメントを手掛けるANYCOLOR(5032)も一時12.2%高となりました。自社株買いで対応するとしていた株主還元方針を変更し、これまで行ってこなかった配当を開始し、来期以降も安定的かつ継続的に配当を実施するとしたことから大幅高となりました。

さらに投資判断と目標株価の引き上げを受けてトクヤマ(4043)やIHI(7013)が高く、トクヤマが一時8.8%高となったほか、IHIも一時11.3%高となり年初来高値を更新しています。

一方で「業務スーパー」を展開する神戸物産(3038)が一時3.4%安となりました。急速な円高・ドル安が進み、為替予約に関連するデリバティブ評価損を計上したことなどにより第3四半期の純利益が前年同期比で4.8%減となったことから売りが優勢となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は1,213円高となりました。米ハイテク株高と142円台後半まで進んだ円安を受けて買いが優勢となりました。また、昨日までの7日間で3,000円以上下げていたこともあって大幅高となり、今年3番目の上げ幅となりました。

そのため調整一巡への期待も出てきそうで、明日以降も買いが優勢となった場合には節目の37,000円や25日移動平均線(37,255円)を回復できるかがポイントとなりそうです。

なお、日本時間の21時15分には利下げがほぼ確実視されている欧州中央銀行(ECB)理事会の結果が発表されるほか、21時30分には米新規失業保険申請件数と8月の米卸売物価指数(PPI)が発表される予定です。また、明日は3ヶ月に一度のメジャーSQで、寄り付きの動向が注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)