【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 40,736.96  ▼92.63 (9/10)
NASDAQ: 17,025.88  △141.28 (9/10)

1.概況

米国市場は8月の消費者物価指数(CPI)の発表を控え様子見ムードが強いなか高安まちまちとなりました。ダウ平均は金融株の下げが重石となり反落となりましたが、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数はハイテク株の一角が買われたことで続伸となりました。86ドル高でスタートしたダウ平均は寄り付きを高値に伸び悩むとマイナスに転じ昼過ぎに412ドル安まで下落しました。しかし、その後下げ渋ると徐々に持ち直し結局92ドル安の40,736ドルで取引を終えています。一方でS&P500株価指数が24ポイント高の5,495ポイントとなったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も141ポイント高の17,025ポイントとなっています。

2.経済指標等

主要な経済指標の発表はありませんでした。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が上げ、不動産と一般消費財・サービス、情報技術が1%以上上昇しました。一方で2業種が下げ、エネルギーが2%近く下落したほか、金融も1%近く下げています

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では、経営陣が2025年の純金利収入の市場予想は高すぎるとの見方を示したJPモルガン・チェース[JPM]が5%以上下げたほか、最高経営責任者(CEO)がトレーディング部門の低調な見通しを示したゴールドマン・サックス[GS]も4%を超える下落となりました。アメリカン・エキスプレス[AXP]も2%以上下げ、ナイキ[NKE]とボーイング[BA]、シェブロン[CVX]も1%を超える下落となりました。一方でアマゾン・ドット・コム[AMZN]とベライゾン・コミュニケーションズ[VZ]、マイクロソフト[MSFT]が2%以上上げ、ウォルマート[WMT]も2%近く上昇しています。

ダウ平均構成銘柄以外では、半導体株の一角が高くブロードコム[AVGO]が5%を超える上昇となり、アドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]も3%以上上げました。エヌビディア[NVDA]も1%を上回る上昇となっています。また、テスラ[TSLA]が買いの投資判断を受けて4%以上上げています。さらに決算で売上高や1株利益が市場予想を上回ったオラクル[ORCL]が目標株価の引き上げが相次いだこともあり11%を超える上昇となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.06%低い3.64%となりました。ドル円は142円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場が高安まちまちとなったことから小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか本日は日本時間の午前10時から米大統領選候補者によるテレビ討論会が予定されています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)