【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 41,335.05  △243.63 (8/29)
NASDAQ: 17,516.43  ▼39.60 (8/29)

1.概況

米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均は4-6月期の米実質GDP改定値が上方修正となり市場予想を上回ったことなどで米経済の底堅さが意識され反発となりましたが、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数は決算を発表したエヌビディア[NVDA]の大幅安となったことなどで続落となりました。254ドル高でスタートしたダウ平均は朝方の買い一巡後に伸び悩むとマイナスとなる場面もありましたが、4ドル安で下げ渋ると持ち直し大きく上げ幅を広げ昼過ぎには486ドル高まで上昇しました。その後伸び悩むと引けにかけて上げ幅を縮めましたが、結局243ドル高の41,335ドルで取引を終え27日に付けた史上最高値(41,250ドル)を更新しています。一方でS&P500株価指数が0.2ポイント安の5,591ポイントとほほ横ばいとなったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も39ポイント安の17,516ポイントとなっています。

2.経済指標等

4-6月期の米実質国内総生産(GDP)改定値は年率換算で前期比3.0%増と速報値から上方修正され市場予想を上回りました。一方で先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比2000件減の23万1000件となりました。7月の米中古住宅仮契約指数も前月比5.5%低下の70.2となり市場予想を下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーや金融、資本財・サービス、素材などの7業種が上げ、エネルギーは1%を超える上昇となりました。一方で情報技術や生活必需品などの4業種が下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中27銘柄が上げました。そのなかでもインテル[INTC]がIBM[IBM]と人工知能(AI)分野で提携すると発表したことで2%を超える上昇となったほか、ビザ[V]も2%近く上げました。アップル[AAPL]とゴールドマン・サックス[GS]、ハネウェル・インターナショナル[HON]、シスコシステムズ[CSCO]、アメリカン・エキスプレス[AXP]も1%以上上昇しています。一方でホーム・デポ[HD]とセールスフォース[CRM]、ベライゾン・コミュニケーションズ[VZ]の3銘柄が下げ、ホーム・デポは1%近く下落しています。ダウ平均構成銘柄以外では、エヌビディアが6%を超える下落となりました。決算は市場予想を上回りましたが、材料出尽くしで売りが優勢となりました。また、決算を発表した1ドルショップのダラー・ゼネラル[DG]が通期の売上高の見通しを下方修正したことで急落し32%以上下げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.03%高い3.86%となりました。ドル円はやや円安に振れ145円近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場でダウ平均が史上最高値を更新したことや、ドル円がやや円安となっていることから堅調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均はドル円の動向などをにらみながらの展開となりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)