成長投資枠には、高いリターンが見込める商品だけが入っている?

新NISAで“成長”投資枠という名称が使われているからか、つみたて投資枠の対象商品より高いリターンが見込まれる投資信託、あるいは成長性の高い企業の株だけが入っている投資信託などが買える枠だと思っている方もいますが、そんなことはありません。

どちらかというと、購入できる商品の種類や買い方について、つみたて投資枠よりも「自由度が高い枠」とイメージするとわかりやすいかもしれません。それでは、下記で具体的に見ていきましょう。

新NISAの成長投資枠によくある誤解

1:債券ファンドは買えない?

成長投資枠では債券ファンドを買うことができます。

つみたて投資枠で購入できる投資信託は、株式に投資する投資信託か、「株式と債券」「株式と債券と不動産」のように株式を含むバランス型が対象となります。主たる投資の対象資産に株式が入っていなければならず、債券だけに投資する投資信託や、REIT(上場不動産投信)だけに投資する投資信託は対象外です。

一方で、成長投資枠の対象となるのは「公募株式投資信託」です。「株式」とついていますが、投資先に必ず株式が入っていないとだめ、というわけではありません。約款に「株式に投資できる」との記載があればOKです。その理由は、以下のように決まっているからです。

・株式投資信託:約款に株式に投資できる旨が記載されている投資信託
・公社債投資信託:約款に株式には投資しない旨が記載されている投資信託

そのため、債券に投資するインデックスファンドや、物価連動国債に投資する投資信託の他、REIT(上場不動産投信)に投資する投資信託なども成長投資枠の対象になっています(個人向け国債のように直接債券に投資することはできません)。

1つの国やセクターの株式などに集中して投資するハイリスク・ハイリターンを目指す商品も入っていますが、債券のようにリスクの低い商品や、株式でもリスクを抑えた運用を行うものも入っているわけです。

「サテライト部分にあたる成長投資枠では、より高いリターンを目指すのが定石」といった声もありますが、必ずしも変動(ボラティリティ)の大きい商品や高いリターンを目指す商品を買う必要はありません。高いリターンを狙う、リスクを抑えた運用を行う、といった様々な選択肢があります。そういう意味で、自由度の高い=選択肢の幅が広い枠といえます。もちろんシンプルに、つみたて投資枠と同じ商品を購入することも可能です。

2:スポットで買わなくてはいけないのか?

必ずしも、一括で購入する必要はありません。買い方についても自由度が高いので、何回かに分けて購入しても良いですし、投資信託であれば、つみたて投資枠と同様に積立の設定をし、一定額を積み立てていくこともできます。もちろん、まとめて1回で投資しても構いません。

一般NISA(旧制度)の非課税期間が終わった投資信託を解約し、成長投資枠で購入し、年間の非課税投資枠に空きがあれば、積立を組み合わせることも可能です。

3:12月30日までに購入すれば良いのか?

年内にその年の非課税枠を使おう・使い切ろうと思った場合、年末最終営業日の12月30日までに購入すれば間に合うかといえば、答えはNOです。

NISAの非課税枠の利用については、(約定日ではなく)受渡日が基準となります。たとえ約定日が年内であったとしても、受渡日が翌年になる取引の場合は、年内の非課税枠を利用した取引ではなく、翌年の非課税枠を利用した取引になります。無理に枠を使い切る必要はありませんが、そうしたルールはしっかり押さえておきましょう。