東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は4日ぶりに大幅反落となりました。555円安の41,668円で寄り付いた日経平均は直後に469円安の41,754円を付けた後大きく下げ幅を広げると10時に1,035円安の41,188円まで下落しましたが、売り一巡後に下げ渋るとやや持ち直し835円安の41,388円で前場を終えました。
896円安の41,327円でスタートした後場の日経平均はスタートから5分後に824円安の41,399円を付けた後徐々に下げ幅を広げると結局1,033円安の41,190円で取引を終えています。
一方で新興市場は高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。
2.個別銘柄等
急速に進んだ円高を受けてニトリホールディングス(9843)が一時5.6%高となりました。海外の工場で生産した製品を輸入・販売していることから円高による採算改善を期待した買いが入りました。
本決算を発表したタマホーム(1419)も一時16.9%高となりました。商品構成の見直しやコスト削減で利益率を高め2025年5月期の営業利益が前期比で8.8%増となる見通しを示したことから上げ幅を広げました。
第3四半期決算を発表したコジマ(7513)も一時11.3%高となり年初来高値を更新しました。猛暑が続きエアコンの販売が好調なことなどにより2024年8月期の営業利益の見通しを46億円から53億円に上方修正し、一転して増益予想となったことで買いが優勢となりました。
第1四半期決算を発表したイオンフィナンシャルサービス(8570)やイオンモール(8905)も大幅高となりました。イオンフィナンシャルサービスは高利回りの営業債権が順調に拡大したことや、営業費用の増加を抑制できたことなどにより第1四半期の営業利益が前年同期比で65.9%増となったことから一時4.4%高となりました。
イオンモールもインドネシアやベトナムなど海外事業が伸びたことなどにより第1四半期の営業利益が前年同期比で11.4%増となったことから一時12.4%高となり年初来高値を更新しています。
一方でセブン&アイ・ホールディングス(3382)が一時8.4%安となり年初来安値を更新しました。米国の物価高や消費停滞の影響で主力の海外コンビニ事業が落ち込んだことや、国内コンビニも伸び悩んだことなどにより第1四半期の営業利益が前年同期比で27.6%減となったことで売りが膨らみました。
また、昨日の米国市場で半導体株が大きく売られた流れを受けて日本市場でも半導体関連銘柄が安く、東京エレクトロン(8035)が一時6.9%安、SCREENホールディングス(7735)が一時4.9%安、アドバンテスト(6857)が一時5.8%安、ディスコ(6146)も一時9.3%安となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は1,033円安となりました。ハイテク株を中心に利益確定の売りが出て昨日の米国市場でナスダック総合株価指数が2%近い下落となったことや、一時157円台まで進んだ急速な円高を受けて大幅反落となり、今年最大の下げ幅となりました。
しかし、昨日時点で25日移動平均線との乖離率が6%超まで広がり短期的な過熱感が強まっていたことからすると必要なスピード調整だとみることもできそうです。
なお、小売り企業の決算発表が続いています。本日も引け後には良品計画(7453)やイオン(8267)などが決算を発表する予定です。
また、日本時間の21時30分に6月の米卸売物価指数(PPI)が発表されるほか、23時には7月の米ミシガン大学消費者態度指数速報値が発表される予定です。
さらに米国市場では大手金融を皮切りに決算発表がスタートします。12日はJPモルガン・チェース[JPM]やシティグループ[C]、ウェルズ・ファーゴ[WFC]などが決算発表を予定しています。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)