「経済的自由のためのsideFIREを目指す」。そんな思いを胸に、夫婦でインデックスファンドを中心に積立投資を続けながら、強固な資産を築いてきた個人投資家のMinさん。約1年半前のインタビュー「sideFIREを目指し、6年で1億5000万円の資産形成を達成!」「次なる目標は世帯金融資産2億円!家族が増え、“今しかできないこと”も楽しみたい」「ゆっくり複利をきかせる投資を実現」では、これまで実践してきた資産形成のポイントや、年間1000万円の積立投資を実現するコツなどについてご紹介しましたが、今回は新たに「新しいNISA」やクレカ積立の活用法についてお聞きしました。

●Minさんプロフィール●
2024年2月にsideFIREを達成したアラサー元研究者。九州の片田舎で育ち、旧帝国大学の大学院博士課程を修了。その後、業界最大手企業でかねてからの夢だった研究開発職に従事し、2024年2月末に退職。「共働き×複業×投資×節約節税」を実践し、現在は夫婦で年間1150万円を積み立て投資中。主に株式、不動産、暗号資産に投資。現在は妻と共に中小企業の経営を行っている。

夫婦で3600万円を賢く運用。新NISAを最大限活用する投資戦略

――2024年から新NISAが始まりましたが、その活用法について教えてください。

新NISAは、つみたて投資枠および成長投資枠を合わせて、1人あたり1800万円の最大利用可能額があります。また、1年あたりの投資上限額は上記の2つの枠を合わせて360万円であり、最短では5年間で枠を使うことができるようになっています。夫婦で考えると3600万円の最大利用可能枠になります。私はこの進化した新NISAを投資の手間は省きつつ、最大限活用するために、夫婦で3600万円の利用可能枠を最短の5年で、投資信託を購入することによって使い切る計画です。

我が家の場合、新NISA枠は全て全世界型の投資信託にする予定です。新NISAの枠を使い切ってしまった後は、少なくとも15年は放置し、長期保有したいと考えています。少なくとも15年の長期保有をする理由は、1987年12月末~2023年12月末の期間において、世界株式(MSCI ACWI:MSCIオール・カントリー・ ワールド指数)(税引き前配当込み・米ドルベース)に15年以上投資した場合、どのタイミングで投資を始めてもマイナスになることはなかったというデータに基づいています。そのため、投資を始める時期を迷うよりはなるべく早く投資を開始し、時間を味方につける方が得策であると考えました。また、投資期間が長くなれば長くなるほど投資収益が安定化し、複利効果も期待できます。 

あくまでも当分は利用する予定のない余剰資金で投資しているため、投資に回したお金が必要になることは無いと思いたいのですが、万が一必要になった場合は、まずは特定口座での投資分から崩し始め、最後の最後に新NISAで運用している資産を取り崩していくと思います。 

目まぐるしく変化する世界情勢の中、15年以上先の未来においてどの投資先が最大のリターンを生むのか、一般的な個人投資家が判断するのは難しいと思っており、投資先については「低コスト」で「分配金自動再投資型」の「世界中の株式」に投資可能な投資信託が良いと考えています。リターンはコストと直結しており、唯一コストだけは一般的な個人投資家が自らの意思で選択しコントロールできるものであるため、コストには拘った方が良いと考えています。

また、私が世界中の株式に投資する理由として、現在は米国が6割以上を占めていますが、米国のみに投資する、といった1ヶ国限定ではなく、世界全体の経済成長を取り込むことを期待しています。また、時価総額の高い企業に自動的に投資比率が調整される手軽さも魅力的であると考えています。

新NISAの場合、個別株や国内外のETFおよび投資信託等、配当金や分配金が支給される様々な金融商品に投資することが可能ですが、1人1800万円の非課税枠を使い切ってしまった後は、配当金や分配金を再投資することができなくなります。ただ、分配金自動再投資型の投資信託であれば、分配金はファンド内で自動再投資されて基準価格の上昇になるため、非課税枠を使い切った後でも複利効果を享受することが可能です。

初期設定が肝心。お得なクレカ積立のメリットと続けるコツ

――クレカ積立についてですが、積立上限額(10万円)の拡大に伴い、投資金額の変更はされましたか?変更された場合、その意図や戦略について教えてください。
 
新NISAの開始とクレカ積立の上限額が拡大したことに伴い、夫婦合算で投資金額を増額しました。これまでは私の方が妻より少し多めに投資してはいたものの、妻と相談し、妻の分も合わせて年間1000万円は投資できるように積立設定していました。しかし、2024年から始まった新NISAでは最短5年で投資可能枠を使い切りたいということに加え、積立投資をするならこれまでのお得なクレカ積立も継続したいと考え、2024年から150万円ほど増額し、妻分と合わせて年間約1150万円になるような形で積立設定しています。この金額に設定した理由は、現状の我が家にとって無理なく続けられる投資額だからです。

我が家の場合、新NISAはなるべく早く非課税枠を埋めたいとの思いからクレカ積立ではなく年初に一括で投資しており、投資予定の残りの枠をクレカ積立で埋める戦略です。新NISAをクレカ積立で埋める戦略の方もおられるかと思いますが、無理なく続けられる方法が各家庭に合った最適な方法だと思うので、独自で最適な投資戦略を模索していくのも投資の醍醐味の1つかと思います。

――クレカ積立の活用について、何か工夫されていることはありますか?

我が家でクレカ積立を実施している証券会社は、複数あります。クレカ積立において、これまでクレカ積立を実施していた全ての証券会社で毎月5万円から10万円に引き上げたわけではありません。私が10万円に引き上げたのは、還元率が高いままキープされている証券会社のみ実施しました。証券会社によっては、積立上限が月5万円から10万円に引き上げられたものの、クレカの還元率が低下するところもあります。この場合は、毎月5万円のままクレカ積立をしています。

クレカ積立を実施するためには、証券会社で特定口座を開設し、その証券会社が指定したクレカが必要になるため管理が煩雑になると思われるかもしれませんが、我が家では証券口座やクレカ等、保有資産をまとめて管理できる便利なアプリを使用することで手間を省き管理しています。

――クレカ積立を実践し、生活に役に立ったことはありますか?

私が考えるクレカ積立の最大のメリットは、初期設定さえすれば、後は手間なく毎月の定額投資が可能で継続しやすく、更にポイントが手に入りお得感があるということです。我が家の場合、クレカ積立投資額を増やしたことで、ポイントの貯まるスピードが早まり、ポイントも汎用性のあるものが多いので使い勝手が良く重宝しています。クレカ積立はポイント還元率が悪くならない限り、今後も継続して続けようと考えています。 

家族の幸せと堅実な資産運用の両立で、ブレない長期目線のコア・サテライト戦略を継続

――インタビュー時取材時から約1年半が経ちました。当時は6年で1億5000万円の資産形成を達成され、次の目標は2億円だとおっしゃっていました。現在、資産額は現在どれくらい増えましたか?

前回のインタビューがあった2022年当時は1億3000万円~1億5000万円強の純資産額でした。現在の純資産額は1億8120万円であり、2022年比では3,000万円~5,000万円程度増加しましたが目標は未達です。

目標未達の原因は、大きな出費が5回あり計2,400万円程度を使用したためです。約2,400万円の内訳は以下のようになっています。

(1)2023年6月に650万円、2024年3月に450万円の計1,100万円で、2つのリゾートホテルのタイムシェアオーナーになったこと
(2)2023年7月に自家用車を650万円で購入したこと
(3)会社員を辞めて実家に戻ったこともあり、2024年3月~4月に450万円かけて実家の一部をリフォームしたこと
(4)2024年3月に私達夫婦と息子に加え、日頃の感謝を込めて祖母、両親の家族全員を連れて半月間、ハワイ旅行に行ったこと(タイムシェアオーナーのため費用を抑えられ200万円程)

上記のように複数回の大きな支出があったため目標も未達のままですが、家族も喜んでくれており、良いお金の使い方をしたのではないかと個人的には満足しています。

――資産形成において、前回のインタビューからポートフォリオに変化はありましたか?

現在のポートフォリオは、以下になります。

【図表】Minさんの資産運用ポートフォリオ(2024年6月)
出所:Minさんの資産管理アプリより抜粋

ポートフォリオに変化を与えた要因としては以下の通りです。

・不動産を売却
・個人年金を解約
・生命保険を払済に変更
・脱サラしたため持株会を脱退
・米国債を売却
・積立投資は全て全世界株式型の投資信託に投資しているため全世界株式の比率が増加
 (※)上図の年金は、全てiDeCo(個人型確定拠出年金)です。

――前回のインタビュー後、資産を増やしていく中で、どのような投資戦略を実践されましたか? 

基本的な投資戦略は変化していません。主軸を長期目線の積立投資に置いた、コア・サテライト戦略を継続中です。前回のインタビュー時には、S&P500指数に連動する投資信託および全世界株式型の投資信託に積立投資していましたが、全世界株式型のコストが非常に安くなったことを受け、現在の積立は全世界株式型に統一しました。ただ、これまで購入したS&P500指数に連動する投資信託は売却せず保有を継続しています。今後も投資信託をコアとして成長させるために、引き続き、積立投資を継続していく予定です。

――本日はお時間をいただきありがとうございました。

※本内容は2024年6月にアンケート取材いたしました。
※本内容は、個人の経験に基づく見解であり、当社の意見を表明するものではありません。
※投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断と責任でなさるようにお願いいたします