配当落ち分を埋めることができず、下降トレンドが発生
前回のコラムでは「配当落ちがトレンドに影響を与えるか」について解説しました。実際の値動きを見ると、配当や優待の権利落ち日となる3月28日の日経平均は、配当落ち分の307円を上回る679円安となりました。
また、権利付最終売買日となる3月27日も227円安で終えており、配当や優待の権利を取りたい投資家がいる反面、市場全体では売り物に押され、下降トレンド発生のきっかけとなった格好です。
配当落ち前後の値動きが軟調だったことに加え、配当落ち分を埋めることができずにすべての移動平均線を下回っており、下降トレンドが発生していると考える必要がありそうです。

2番底を維持できるかが底入れのカギ
そうしたなか、新年度入りとなる4月1日の終値を見ると、3月31日の安値35,617円56銭を上回るとともに、2024年8月5日暴落以降につけた2番底となる、2024年9月11日の終値35,619円77銭をかろうじて上回っています。
そのため、9月11日の終値を上回ったまま維持できるかが注目ポイントになるでしょう。仮に米国の相互関税の詳細が判明した後も9月11日の終値を上回って維持するようなら、下げ止まりから反発に向かうことが期待されます。その反面、9月11日の終値を下回って戻せなくなるようなら、節目の35,000円を割り込んで8月5日の安値に接近することも視野に入ってきます。買いポジションを持っている投資家は損失の発生や拡大に注意が必要です。
モメンタムの低下が続いた場合は要注意
続いては、上昇と下落の勢いを教えてくれるモメンタムについてです。モメンタムとその移動平均線であるシグナルが下向きに変化するとともに、上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる0ラインを下回って低下しています。
そのため、2本線の低下が続くかどうかが注目ポイントです。仮に2本線の低下が続くようなら、下落の勢いが強まるとともに9月11日の終値を下回って推移したり、8月5日の安値に接近したりすることが視野に入ります。その反面、2本線が上向きに変化して0ラインを上回るようなら、9月11日の終値を上回って推移することが考えられ、底入れ期待が高まるのではないかと思われます。
前回のコラムで解説した配当落ち後から発生した下降トレンドですが、下げ止まるのか、あるいは下げが加速するのか重要な局面を迎えています。振り回されないようにしたいところです。