【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 39,721.36 △429.39 (7/10)
NASDAQ: 18,647.45 △218.16 (7/10)
1.概況
米国市場はパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言を受けて利下げ期待が高まるなか半導体株を中心に買いが入り大幅上昇となりました。19ドル安でスタートしたダウ平均は下げ渋ると前日終値を挟んでもみ合う展開となりましたが、まもなくして買いが優勢になると午後に入り大きく上げ幅を広げ、引けにかけて一段高になると結局429ドル高の39,721ドルで取引を終え3日ぶりに反発しています。
また、S&P500株価指数が56ポイント高の5,633ポイントと7日続伸となり、6日連続で史上最高値を更新したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も218ポイント高の18,647ポイントとなり、7日連続で史上最高値を更新しています。
2.経済指標等
5月の米卸売在庫は前月比0.6%増となり市場予想と一致しました。米卸売売上高は前月比0.4%増となり市場予想を上回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでも情報技術と素材が1%を超える上昇となったほか、ヘルスケアと公益事業、資本財・サービスも1%近く上げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄はビザ[V]とウォルト・ディズニー[DIS]を除く28銘柄が上げました。そのなかでもホーム・デポ[HD]が2%を超える上昇となったほか、トラベラーズ[TRV]とスリーエム[MMM]、マクドナルド[MCD]、アップル[AAPL]なども2%近く上げています。
ダウ平均構成銘柄以外では、6月の売上高が前年同月比で32.9%増となったことから半導体受託生産の台湾のTSMC[TSM]が3%を超える上昇となりました。また、TSMCの大幅増収を受けて他の半導体株も高く、マイクロン・テクノロジー[MU]が4%高となり、アドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]も4%近く上げました。エヌビディア[NVDA]とウエスタン・デジタル[WDC]も2%を上回る上昇となっています。
5.為替・金利等
長期金利は0.01%低い4.28%となりました。ドル円は161円台半ばで推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株高を受けて大きく上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は史上最高値を昨日に続いて更新しそうで、米消費者物価指数の発表を今晩に控えるなかでどこまで上値を伸ばすことができるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)