東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は3日ぶりに反落となりました。269円安の38,865円で寄り付いた日経平均は直後に196円安の38,938円を付けた後下げ幅を広げると10時50分前に325円安の38,809円まで下落し、308円安の38,826円で前場を終えました。

261円安の38,873円でスタートした後場の日経平均は13時過ぎに267円安の38,866円を付けた後、14時30分過ぎに188円安の38,945円を付けるなど38,900円を挟んでもみ合うと結局258円安の38,876円で取引を終えています。

一方で新興市場は高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

ラクスル(4384)が一時13.2%高となりました。買収した印鑑通販サイト運営会社の連結化の貢献などもあり第3四半期の営業利益が前年同期比で50.2%増となり通期予想に対する進捗率が95.2%となったことや、上場後初の配当を実施すると発表したこともあり買いを集めました。

ワコールホールディングス(3591)も一時7.6%高となり上場来高値を更新しました。シンガポールの投資会社の3Dインベストメント・パートナーズがワコールホールディングス株を5.13%取得したことが関東財務局に提出した大量保有報告書で明らかとなったことから大幅高となりました。

また、新しい生成AI機能が買い替えサイクルをけん引するとの見方から昨日の米国市場で米アップル[AAPL]が大幅高となり上場来高値を更新したことで関連銘柄が買われました。

村田製作所(6981)が一時3.6%高、TDK(6762)が一時5.5%高、太陽誘電(6976)が一時3.2%高、アルプスアルパイン(6770)も一時3.4%高となり、村田製作所が年初来高値を更新し、TDKも上場来高値を更新しています。

一方で総菜大手のロック・フィールド(2910)が一時5.8%安となり年初来安値を更新しました。2024年4月期通期の営業利益は前期比で15.8%増となりましたが、第4四半期3ヶ月間の営業利益が前年同期比で33.9%減と減益に転じたことから大幅安となりました。

東宝(9602)も8.2%安となりました。5月の映画興行部門の興行収入が前年同月比40.2%減となったことから売りが膨らみました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は258円安となりました。昨日の米国市場で持ち高調整の売りが出てダウ平均が反落となった流れを受けて売りが優勢となり、節目の39,000円を割り込みました。日経平均は39,000円を超えてくると押し戻される展開が続いているだけに改めて39,000円を上回ったところでの上値の重さが意識されそうです。

なお、日本時間の21時30分に5月の米消費者物価指数(CPI)が発表されるほか、13日午前3時には米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果が発表されます。

FOMCでは政策金利が据え置きとなる公算が大きいことから、参加者の政策金利見通し(ドットチャート)や会合後のパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の記者会見に注目が集まりそうで、前回3月時点で年内3回とみられていた利下げ回数に変更があるかどうかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)