東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米ハイテク株高を受けて続伸となりました。137円高の39,175円で寄り付いた日経平均は取引開始から1時間弱で298円高の39,336円まで上昇しましたが、買い一巡後に伸び悩むと11時10分過ぎに82円高の39,120円まで上げ幅を縮め117円高の39,155円で前場を終えました。
103円高の39,141円でスタートした後場の日経平均は大引け5分前に36円高の39,074円まで上げ幅を縮めましたが、引けにかけてやや持ち直すと結局96円高の39,134円で取引を終えています。
一方でTOPIXは小幅に下落となりましたが、新興市場は高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。
2.個別銘柄等
ラウンドワン(4680)が一時6.8%高となりました。1000億円を投じて2032年度までに年10-20店を出店し、米国の店舗を4倍の200店に増やすと伝わったことで海外での収益拡大を期待した買いが入りました。
TOPPANホールディングス(7911)も一時3.0%高となり年初来高値を更新しました。データセンターのサーバーや生成AI(人工知能)で使われる次世代半導体向けに、製造コストを従来に比べて50%抑えられる部材を開発したと伝わったことで買いが優勢となりました。
育毛剤などを手掛けるファーマフーズ(2929)も17.4%上昇しストップ高となりました。食品向けの機能性素材の売り上げが伸びたことなどにより第3四半期の営業利益が前年同期比で99.9%増の32億円となり、通期予想の27億円を上回ったことから業績の上振れを期待した買いが入りました。
また、古河電気工業(5801)が投資判断と目標株価の引き上げを受けて一時5.9%高となったほか、半導体製造装置大手のKOKUSAI ELECTRIC(6525)も目標株価の引き上げを受けて一時4.7%高となりました。
一方でエーザイ(4523)が一時5.0%安となりました。米食品医薬品局(FDA)が外部専門家の諮問委員会で、米医薬品大手イーライ・リリー[LLY]のアルツハイマー病薬「ドナネマブ」の承認推奨を全会一致で決定したことで、エーザイと米バイオジェン[BIIB]が共同で開発した認知症薬「レカネマブ」との競合薬の承認を警戒した売りが出ました。
本決算を発表した美容用品の販売を手掛けるビューティガレージ(3180)も13.9%安となり年初来安値を更新しました。2025年4月期の営業利益が前期比で6.8%増となる見通しを示しましたが、市場予想に届かなかったことで売りが膨らみました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は96円高となりました。米ハイテク株高を受けて昨日の米国市場でS&P500株価指数とナスダック総合株価指数が史上最高値を更新したことから買いが優勢となりました。
しかし、一時は300円近く上げる場面もありましたが、週内に米消費者物価指数や米連邦公開市場委員会(FOMC)、日銀の金融政策決定会合の結果発表を控えていることもあって朝方の買い一巡後には伸び悩みました。
したがって今週は重要イベントが目白押しとなるなかで節目の39,000円で下値を固めて、ここからさらに水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)