東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は4日ぶりに反発となりました。119円高の38,173円で寄り付いた日経平均は9時20分前に33円高の38,087円を付けた後上げ幅を広げると10時過ぎに279円高の38,333円まで上昇しましたが、買い一巡後に伸び悩むと65円高の38,119円で前場を終えました。

191円高の38,245円でスタートした後場の日経平均は一段高になると14時50分前に472円高の38,526円まで上昇し結局433円高の38,487円で取引を終えています。

こうしたなか新興市場も高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

関西ペイント(4613)が一時15.1%高となり年初来高値を更新しました。自己株式を除く発行済株式総数の19.01%にあたる4000万株、800億円を上限とした大規模な自社株買いを発表したことで買いを集めました。

フジ・メディア・ホールディングス(4676)も一時9.8%高となりました。アクティビスト(物言う株主)として知られる米投資ファンド、ダルトン・インベストメンツがフジ・メディア・ホールディングスにMBO(経営陣が参加する買収)を要求する書簡を送ったこと伝わったことから非公開化などを期待した買いが入りました。

他の民放大手にも買いが波及し、TBSホールディングス(9401)が一時8.1%高、日本テレビホールディングス(9404)が一時4.9%高、テレビ朝日ホールディングス(9409)も一時7.3%高となりました。

また、ゲーム関連銘柄の一角が高く、コーエーテクモホールディングス(3635)が投資判断の引き上げを受けて一時8.3%高となり、カプコン(9697)も人気タイトル「モンスターハンター」シリーズの新作「モンスターハンターワイルズ」の最新映像を公開したことから一時4.1%となりました。

さらに東証スタンダード市場ではまんだらけ(2652)が一時12.7%高となりました。来店客数の増加で店頭販売が伸び4月の既存店売上高が前年同月比14.1%増と高い伸びとなったことで大幅高となりました。

一方で名古屋鉄道(9048)が一時11.3%安となり年初来安値を更新しました。ユーロ円建て転換社債型新株予約権付社債(転換社債)で500億円を調達すると発表したことから将来的な希薄化や需給悪化を売りが出ました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は433円高となりました。昨日までの3日間で850円近く下げていたこともあって自律反発狙いの買いが優勢となりました。

朝方には30円高余りまで上げ幅を縮める場面もありましたが、マイナスになることなく踏み止まると上げ幅を広げ後場に入り一段高となり、一目均衡表の雲の下限(38,471円)や25日移動平均線(38,485円)を上回って取引を終えました。そのため目先の調整一巡との見方も出てきそうです。

なお、日本時間の21時30分に米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ指標として重視している4月の米個人消費支出(PCE)物価指数が発表となるほか、22時45分には5月の米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)も発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)