横ばいの相場を底堅いと見るか、あるいはリスクに鈍感と見るか

米国・イスラエルとイランとの軍事衝突が発生してから半月経つが、相場の捉え方及びスタンスは前回のレポートから変わっていない。前回も述べたことだが、2月6日付の『乱気流にシートベルト着用サイン点灯』というレポートで、自民党が大勝して相場が上がる場面があるなら、そこはいったん売り場であると指摘したが、結果的にその通りの展開となった。グラフ1の日経平均のチャートからわかるように、自民党圧勝で窓開けして上放れたところ(丸で囲った部分)をそっくり吹き飛ばしてしまった格好だ。

また前回のレポートでは、「寄り引け同値の十字足を境に、今日は陽線を引いて、目先底入れの機運が出ている(矢印の部分)」と述べたが、その後の展開を見ても、ほぼ見立て通りだったようだ。

グラフ1
出所:マネックス証券ウェブサイト

要は自民党圧勝で上放れた部分を「なかったこと」にしたということだ。この部分(丸で囲ったところ)を「なかったもの」と見れば、相場はほとんど横ばいの水準であることがわかる。

これを底堅いと見るか、あるいはリスクに鈍感と見るか。米国株はこの間、ずっと下値を探っている。同じことを言えば、これを弱い相場と見るか、リスクに敏感な相場と見るか、だ。明らかに後者だろう。これだけリスクが山積しているなかでは、それらを織り込んで調整するのが健全な相場というものである。

グラフ2
出所:マネックス証券サイト

日本株はリスクに対して調整不足

日経平均とNYダウ、年初からの動きを重ねてみたのがグラフ3だ。

グラフ3
出所:Bloomberg

明らかに日本株は調整不足だ。この先、一段とリスクが顕在化した場合、下げ余地は大きいだろう。中東情勢など地政学リスクだけでなく、すでに米国のスタグフレーション懸念が台頭してきている。同時にFRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策のかじ取りも難易度が増し、不透明感が高まっている。あまり考えたくないことだが、そこにプライベート・クレジット絡みの悪材料が一段と強度を上げて噴出した場合、かなりのダウンサイド圧力がかかると思う。だから結論は前回のレポートをさらに巻き戻し、2月6日付のレポートまで遡る。すなわち、乱気流にシートベルト着用サインは点灯したままである。