【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 38,111.48  ▼330.06 (5/30)
NASDAQ: 16,737.08  ▼183.50 (5/30)

1.概況

米国市場は決算を発表したセールスフォース[CRM]の急落が主力株の一角にも波及し続落となりました。73ドル安でスタートしたダウ平均は朝方に440ドル安まで下落した後下げ渋りましたが、引き続き軟調に推移すると結局330ドル安の38,111ドルで取引を終え3日続落となりました。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も183ポイント安の16,737ポイントと続落となっています。

2.経済指標等

1-3月期の米実質国内総生産(GDP)改定値は年率換算で前期比1.3%増と速報値の1.6%増から下方修正され市場予想と一致しました。また、先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比3000件増の21万9000件となり市場予想以上に悪化しました。さらに4月の米中古住宅仮契約指数は前月比7.7%低下の72.3となり市場予想を下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が上げ、不動産と公益事業が1%を超える上昇となりました。一方で情報技術が2%を超える下落となったほか、コミュニケーション・サービスも1%余り下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではセールスフォースが20%近く下げました。決算で売上高が市場予想に届かなかったうえ、5-7月期の収益見通しも市場予想を下回ったことで売りが膨らみました。マイクロソフト[MSFT]も3%を超える下落となったほか、アマゾン・ドット・コム[AMZN]とメルク[MRK]も1%以上下げています。一方でベライゾン・コミュニケーションズ[VZ]が3%以上上げ、ハネウェル・インターナショナル[HON]とナイキ[NKE]も2%近く上昇しています。

ダウ平均構成銘柄以外では半導体株の一角が安く、マイクロン・テクノロジー[MU]が4%安となり、エヌビディア[NVDA]も3%を上回る下落となりました。ウエスタン・デジタル[WDC]も2%以上下げています。また、主力ハイテク株ではグーグルの持ち株会社であるアルファベット[GOOGL]が2%余り下落し、フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ[META]とネットフリックス[NFLX]も1%以上下げています。家電量販店のベストバイ[BBY]は決算で1株利益が市場予想を上回ったことで13%を超える上昇となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.07%低い4.54%となりました。ドル円は156円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は昨日に大きく下げた反動で堅調なスタートが予想されます。こうしたなか新たな買い材料に乏しいこともあり日経平均が一日を通して堅調さを維持できるかがポイントとなりそうです。また、寄り付き前の8時30分に5月の都区部消費者物価指数(CPI)が発表されるほか、10時30分には中国で5月の製造業と非製造業の購買担当者景気指数(PMI)が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)