【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 38,441.54  ▼411.32 (5/29)
NASDAQ: 16,920.58  ▼99.30 (5/29)

1.概況

米国市場は長期金利の上昇が相場の重石となり下落となりました。136ドル安でスタートしたダウ平均は直後に439ドル安まで下落した後下げ渋りましたが、その後も大きく戻すことなく安値圏で推移すると結局411ドル安の38,441ドルで取引を終え続落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も99ポイント安の16,920ポイントと3日ぶりに反落となりました。

2.経済指標等

米地区連銀経済報告(ベージュブック)で米連邦準備制度理事会(FRB)は経済活動が前回4月の報告時点から「拡大を続けた」と総括しています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでもエネルギーと資本財・サービス、素材、公益事業が1%を超える下落となっています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄はセールスフォース[CRM]とアップル[AAPL]、ジョンソン・エンド・ジョンソン[JNJ]を除く27銘柄が下げました。そのなかでも経営陣が低所得者向け保険事業の先行きに慎重な見方を示したユナイテッドヘルス・グループ[UNH]が3%を超える下落となったほか、インテル[INTC]も3%近く下げました。キャタピラー[CAT]も2%を上回る下落となり、ボーイング[BA]も2%近く下げています。ダウ平均構成銘柄以外では半導体株が安くアドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]が3%を超える下落となり、クアルコム[QCOM]とテキサス・インストゥルメンツ[TXN]も2%以上下げました。また、アメリカン航空グループ[AAL]が4-6月期の1株利益の見通しを引き下げたことで13%を超える下落となっています。一方でカジュアル衣料チェーンのアバクロンビーアンドフィッチ[ANF]が決算で売上高が市場予想を上回ったことなどで24%以上上げています。スポーツ用品店のディックス・スポーティング・グッズ[DKS]も決算で売上高と1株利益が市場予想を上回ったことや、業績見通しを上方修正しことで16%近く上昇しています。

5.為替・金利等

長期金利は国債の入札が低調で0.06%高い4.61%となりました。ドル円は157円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は節目の38,500円を割り込みそうで、本日も長期金利の動向に神経質な展開となりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)