【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 38,461.51  ▼422.16 (4/10)
NASDAQ: 16,170.36  ▼136.28 (4/10)

1.概況

米国市場は3月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回ったことで利下げの開始が遅れるとの見方が一段と強まり下落となりました。221ドル安でスタートしたダウ平均は昼過ぎに579ドル安まで下落した後下げ渋りましたが、引き続き軟調に推移すると結局422ドル安の38,461ドルで取引を終え3日続落となりました。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も136ポイント安の16,170ポイントと4日ぶりに反落となっています。

2.経済指標等

3月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比3.5%上昇と前月から伸びが加速し市場予想を上回りました。変動の激しい食品とエネルギーを除くコア指数も前年同月比3.8%上昇し市場予想を上回っています。2月の米卸売売上高も前月比2.3%増となり市場予想を上回りました。2月の米卸売在庫は前月比0.5%増となり市場予想と一致しています。

3月の米財政収支は2360億ドルの赤字となっています。また、3月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では参加者が、インフレ率が持続的に目標の2%に向かっているとの確信が高まるまで利下げは適切ではないとの見解を示していたことが明らかとなりました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーを除く10業種が下げました。そのなかでも不動産が4%余り下落したほか、公益事業と素材、金融、一般消費財・サービス、ヘルスケアも1%以上下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中22銘柄が下げました。そのなかでもホーム・デポ[HD]が3%安となり、インテル[INTC]も3%近く下落しました。ゴールドマン・サックス[GS]とナイキ[NKE]、ユナイテッドヘルス・グループ[UNH]も2%以上下げ、ボーイング[BA]も2%近く下落しています。一方で8銘柄が上げ、ウォルマート[WMT]が1%以上上昇しています。

ダウ平均構成銘柄以外では、半導体株が軟調でアドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]とクアルコム[QCOM]、テキサス・インストゥルメンツ[TXN]が2%を超える下落となっています。また、靴ブランドを手掛けるデッカーズ・アウトドア[DECK]が投資判断と目標株価の引き下げを受けて6%以上下げています。

5.為替・金利等

長期金利は米消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回ったことで利下げ観測が後退し0.19%高い4.55%となりました。こうしたなかドル円は34年ぶりの円安水準となり153円近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は節目の39,500円を割り込みそうで、朝方の売り一巡後に下げ渋るような動きをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)