東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米国株安を受けて3日続落となりました。171円安の38,191円で寄り付いた日経平均は取引開始から5分で233円安の38,130円まで下落しましたが、朝方の売り一巡後に下げ幅を縮めると10時20分過ぎには23円安の38,339円まで持ち直しました。しかし、戻し切れないと再び下げ幅を広げ後場に入り12時50分前には268円安の38,095円まで下落しました。その後は下げ渋りましたが、引き続き軟調に推移すると結局101円安の38,262円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も安く東証グロース市場250指数が下落となっています。
2.個別銘柄等
アウトドア用品大手のスノーピーク(7816)が一時9.9%高となりました。1株1,250円で米投資ファンドのベインキャピタルがTOB(株式公開買い付け)を実施し、MBO(経営陣が参加する買収)で株式を非公開化すると発表したことからTOB価格にさや寄せする格好で上げ幅を広げました。家電量販店のノジマ(7419)も一時5.7%高となりました。自己株式を除く発行済株式総数の2.04%にあたる200万株、40億円を上限とする自社株買いを発表したことで大幅高となりました。また、目標株価の引き上げを受けて日本マイクロニクス(6871)や電線やケーブル大手のSWCC(5805)が高く、日本マイクロニクスが一時15.2%高、SWCCも一時4.5%高となり、揃って昨年来高値を更新しています。さらに東証スタンダード市場では英国風パブを展開するハブ(3030)が株主優待制度の拡充を発表したことで20.7%上昇しストップ高となっています。一方で昨日の米国市場でエヌビディア[NVDA]など半導体関連株が一角が大きく下げたことで日本市場でも半導体関連銘柄が安く、アドバンテスト(6857)が一時3.4%安、ディスコ(6146)が一時3.6%安、レーザーテック(6920)も一時2.2%安となりました。ソフトバンクグループ(9984)も傘下の英半導体設計大手アーム[ARM]が昨日の米国市場で5%を超す下落となったことから売りが優勢となり一時2.9%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は101円安となりました。利益確定の売りが出て昨日の米国市場が下落となったことから続落となりました。しかし、昨日時点で25日移動平均線との乖離率が5%に近い水準にあったことからするとスピード調整が続いているとみることができそうで、押し目買いが入り23円安まで戻す場面もあったことから1989年12月29日に付けた過去最高値(38,915円)更新への期待は引き続き高いといえそうです。なお、日本時間の22日午前4時に1月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が公表される予定です。また、21日の米国ではエヌビディアが決算を発表する予定です。決算が高い期待に届かない内容となった場合の株価急落が警戒されていることもありマーケットの反応が注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)