【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 37,385.97 ▼18.38 (12/22)
NASDAQ: 14,992.97 △29.11 (12/22)
1.概況
先週末の米国市場は小幅に高安まちまちとなりました。ダウ平均はナイキ[NKE]の急落が重石となり小幅に反落となりましたが、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数は米連邦準備制度理事会(FRB)が重視するインフレ指標が予想を下回る伸びとなったことで利下げ期待が一段と高まり続伸となりました。55ドル安でスタートしたダウ平均は直後にプラスに転じるとまもなくして130ドル高まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと午後に入り取引終盤には135ドル安まで下落しました。その後は引けにかけて持ち直すと小幅にプラスとなる場面もありましたが、上値は重く結局18ドル安の37,385ドルで取引を終えています。一方でS&P500株価指数が7ポイント高の4,754ポイントとなったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も29ポイント高の14,992ポイントとなっています。
2.経済指標等
11月の米個人所得は前月比0.4%増となり市場予想と一致しました。個人消費支出(PCE)も前月比0.2%増となり市場予想と一致しています。また、11月の米個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比2.6%上昇と前月から伸びが鈍化し市場予想を下回りました。さらに11月の米新築住宅販売件数も年率換算で前月比12.2%減の59万件となり市場予想を下回りました。一方で12月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値は69.7と速報値から上方修正され市場予想も上回りました。11月の米耐久財受注額も前月比5.4%増となり市場予想を上回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち生活必需品や素材、ヘルスケア、資本財・サービスなどの10業種が上げました。一方で一般消費財・サービスが下げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄では決算で通期の売上高の見通しを下方修正したナイキが12%近く下落しました。また、ウォルト・ディズニー[DIS]も1%余り下げています。一方でインテル[INTC]が2%近く上昇したほか、アムジェン[AMGN]とメルク[MRK]、ウォルマート[WMT]も1%以上上げています。ダウ平均構成銘柄以外では、前日に好決算を受けて急伸したマイクロン・テクノロジー[MU]が引き続き買われ1%余り上げています。主力ハイテク株は軟調なものが目立ちネットフリックス[NFLX]が1%近く下げています。
5.為替・金利等
先週末の長期金利は変わらずの3.89%となりました。ドル円は142円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は先週末の米国市場でS&P500株価指数とナスダック総合株価指数が続伸となったことから堅調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の買い一巡後にさらに上値を伸ばすような動きをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)