2023年最後のFOMC終了。パウエル議長のハト派発言に各指数が高値を更新中
先週のFOMC(米連邦公開市場委員会)でFRB(米連邦準備理事会)パウエル議長は2024年3回の利下げを想定していると発表、ここまで利下げの可能性について触れることがなかったため、今回予想以上にハト派なトーンに変わったことをマーケットは好感しました。市場金利は低下、その結果、米国株指数は全て堅調に推移する展開となっています。
先週末の2年債利回りは4.4428%へ、前週比で28ベーシスポイント(0.28%)下り、10年債利回りも4%を切り3.911%32ベーシスポイント(0.32%)低下、債券価格は上昇です。
このような流れを受けS&P500は先週2.49%上昇、ナスダック100は3.35%の上げ、両指数ともに7週連続の上昇を果たしました。またNYダウについては先週12月15日(金)には一時37,347ドルまで上昇(引け値は37,305ドル)、他の指標に先駆けて引け値ベースで史上最高値を更新しています。
2022年1月4日に4,818.62で史上最高値を更新したS&P500ですが、先週の4,719.19からあと2.1%で高値を更新するところまで来ています。また、ナスダック100については先週末16,623.45で引けましたが、2021年11月22日につけた史上最高値の16,764.86ドルまで残すところあと0.85%です。
株価指数は一般的に、価格の変化だけを表しており、この場合配当金は考慮されていません。ですので、支払われた配当金を再投資したトータルリターン指数というものがあるのですが、そのS&P500のトータルリターン指数、こちらは先週12月14日(木)にすでに史上最高値を更新しています。
米国株市場はGAFAM銘柄から小型株まで幅広く上昇
このところマーケットで起きているポジティブな展開としては、市場の裾野が広がっているとコメントしてきましたが、その流れは先週も継続しています。S&P500の2.49%の上げに対し、S&P500イコール・ウェイト指数は3.81%上げ、小型株指数のラッセル2000は5.55%上昇です。
では、これまでマーケットを牽引してきたGAFAM銘柄が全くダメかというとそういうことはなく、GAFAMを含むメガキャップ銘柄で構成されたFANG+指数も、先週は3.63%上がっており、幅広い銘柄が株式市場のラリーに参加していることがわかります。
歴史的に強い年末、残り2週間で大型ファンドはベンチマークのパフォーマンスを追いかける
2023年も残すところあと2週間です。現在、マーケットは歴史的に強い期間の真っ只中ですが、懸念されたFOMCも終わり、1年以上マーケットの懸念であった急激な利上げが終わったと確認がとれた今、年末まであと2週間の米国市場の上げのモメンタムはこの調子で継続するのではないでしょうか。また、2023年これまでで大型ファンドの65%がベンチマークを下回っていると言います。年末に向けてベンチマークのパフォーマンスを追いかける動きも出ると考えられます。