先週(2月16日週)はS&P500が+1.1%、ナスダック100が+1.13%と上昇

先週(2月16日週)の米国株は、週後半にかけて持ち直しました。週次ではS&P500が+1.1%、ナスダック100が+1.13%と、そろって上昇しました。NYSE FANG+指数は1.6%となっており、久しぶりに大型IT銘柄がS&P500をアウトパフォームしています。

特に2月20日(金)は、米最高裁がトランプ米大統領の関税を無効とする判断を示したことで、マーケットが一気に買い戻されました。

もっとも、この上昇は「問題解決」というより「いったん悪材料の一部が外れた」ことへの反応で、持続性にはなお疑問が残ります。実際、その直後にトランプ米大統領は別の法的根拠を用いた新たな関税措置(外国製品への一律15%課税案など)を打ち出しており、関税を巡る不透明感は継続しています。

財務省も、代替的な法的権限の活用で2026年の関税収入は「ほぼ変わらない」可能性に言及しており、マーケットにとっては「関税リスクの消滅」ではなく「第2ラウンド入り」とみるべき局面でしょう。

10-12月期米GDP成長率は市場予想を下回る、利下げ期待には高いハードルあり

マクロ面では、インフレと景気の組み合わせがやや嫌な形と言えます。12月のコアPCEは前月比+0.4%、前年比+3.0%と、概ね予想通りではあったものの、FRB(米連邦準備制度理事会)の2%目標からは距離があり、「利下げを急げる環境ではない」ことを再確認させる内容でした。

一方、10-12月期米GDP成長率(速報値)は年率1.4%で、市場予想(1.9%)を下回りました。つまり、景気は鈍化気味であるもののインフレは粘着的という組み合わせで、FRBにとっても株式市場にとっても扱いにくい状況です。FRB議事要旨でも、インフレの高止まりに対する警戒感が再確認され、2026年の利下げ期待は引き続き高いハードルがある印象です。

セクター動向としては典型的な「ローテーション相場」に

セクター動向を見ると、先週(2月16日週)は日ごとの振れが大きく、典型的な「ローテーション相場」でした。リスクオンの日にはコミュニケーション・サービスや消費関連が強く、たとえば2月20日(金)はコミュニケーション・サービスが上位でした。

一方で、地政学リスク(米国・イラン情勢)や原油上昇が意識された局面では、金融株や一部景気敏感が売られる場面も見られました。

短期的には、AI物色の一服感、関税・政策ニュース、金利観測が日替わりで主役を入れ替えており、「指数を買って放置」よりも、セクター選別・個別選別の難易度が上がっている地合いです。実際、年初来ではS&P500がほぼ横ばい圏、ダウ平均は小幅高、ナスダックはマイナス圏と、指数間でも温度差が出ています。

今週(2月23日週)はトランプ関税の追加発表やエヌビディアの決算に注目

投資家目線で特に重要なのは、今の米国株が「全面高」ではなく、政策(関税)、金利、AI期待の再配分で動いている点です。最高裁の関税判決は一時的に安心感をもたらしましたが、その後の代替関税の示唆で、再び不確実性が戻っています。

加えて、米国・イラン情勢次第では原油・期待インフレ・金利見通しが再び揺れやすく、バリュエーションの高い銘柄ほどボラティリティが出やすい構図です。VIX指数(恐怖指数)は2月20日(金)に大きく低下しましたが、これは「安心の定着」というより、イベント通過による一時的な沈静化とみるのが自然でしょう。

今週(2月23日週)のマーケットを大きく動かしかねない注目点は、第一にトランプ関税の追加発表・法的整理の進展、第二に米国・イラン情勢、第三に現地2月25日(水)(日本時間26日木曜朝)のエヌビディア[NVDA]の決算発表でしょう。