【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 37,248.35 △158.11 (12/14)
NASDAQ: 14,761.56 △27.60 (12/14)
1.概況
米国市場は2024年の利下げ期待を支えに6日続伸となり、ダウ平均が前日に続いて史上最高値を更新したほか、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数も5日連続で年初来高値を更新しています。25ドル高でスタートしたダウ平均は昼過ぎに197ドル高まで上昇した後伸び悩むとマイナスに転じましたが、38ドル安で下げ渋ると持ち直し結局158ドル高の37,248ドルで取引を終えています。また、S&P500株価指数も12ポイント高の4,719ポイントとなったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も27ポイント高の14,761ポイントとなっています。
2.経済指標等
先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比1万9000件減の20万2000件となり市場予想以上に改善しました。また、11月の米小売売上高は前月比0.3%増となり市場予想を上回りました。11月の米輸入物価指数も前月比0.4%低下しましたが市場予想を上回りました。米輸出物価指数も前月比0.9%低下しましたが市場予想を上回っています。一方で10月の米企業在庫は前月比0.1%減となり市場予想を下回りました。さらに欧州中央銀行(ECB)理事会は政策金利を2会合連続で据え置くことを決めています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち6業種が上げ、エネルギーが3%近く上昇したほか、不動産も2%以上上げました。また、素材と資本財・サービス、一般消費財・サービスも1%以上上昇しています。一方で5業種が下げ、生活必需品と公益事業が1%以上下落しています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではキャタピラー[CAT]が6%を超える上昇となったほか、ゴールドマン・サックス[GS]も5%以上上げています。また、シェブロン[CVX]とダウ[DOW]も3%を上回る上昇となり、スリーエム[MMM]とアメリカン・エキスプレス[AXP]、ホーム・デポ[HD]、ベライゾン・コミュニケーションズ[VZ]、ボーイング[BA]、ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス[WBA]も2%以上上げています。一方でユナイテッドヘルス・グループ[UNH]とプロクター・アンド・ギャンブル[PG]、マイクロソフト[MSFT]が2%を超える下落となりました。ダウ平均構成銘柄以外では半導体関連株が高く、半導体株ではテキサス・インストゥルメンツ[TXN]が4%を超える上昇となり、マイクロン・テクノロジー[MU]も3%高となりました。クアルコム[QCOM]も2%近く上げ、ブロードコム[AVGO]とウエスタン・デジタル[WDC]も1%以上上昇しています。半導体製造装置株ではラム・リサーチ[LRCX]が4%以上上げ、アプライド・マテリアルズ[AMAT]も3%高となりました。さらにバイオ製薬のモデルナ[MRNA]がメルク[MRK]と開発を進めるがんワクチンの治験で有効性を示す新たな結果が得られたと発表したことで9%を超える上昇となっています。
5.為替・金利等
長期金利は2024年の利下げ観測が強まるなか0.11%低い3.91%となりました。ドル円は141円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株高が支えとなる一方で、円高への警戒感もあり小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか本日もドル円の動向をにらみながらの展開となりそうです。また、本日は日本時間の11時に中国で11月の鉱工業生産や小売売上高など数多くの経済指標が発表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)