【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 33,670.29 △39.15 (10/13)
NASDAQ: 13,407.23 ▼166.99 (10/13)
1.概況
先週末の米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均は市場予想を上回る決算を発表した銘柄などを中心に買いが入り小幅に反発しましたが、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数はハイテク株が売られたことで続落となりました。102ドル高でスタートしたダウ平均は朝方に326ドル高まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと上げ幅を縮めその後は前日終値を挟んで小幅にもみ合う展開となり結局39ドル高の33,670ドルで取引を終えています。一方でS&P500株価指数が21ポイント安の4,327ポイントとなったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も166ポイント安の13,407ポイントとなっています。
2.経済指標等
10月の米ミシガン大学消費者態度指数速報値が63.0と前月から低下し市場予想も下回りました。9月の米輸入物価指数も前月比0.1%上昇に止まり市場予想を下回っています。一方で9月の米輸出物価指数は前月比0.7%上昇し市場予想を上回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち6業種が下げ、情報技術と一般消費財・サービス、コミュニケーション・サービスが1%を超える下落となりました。一方で5業種が上げ、エネルギーが2%を上回る上昇となったほか、公益事業も1%余り上げています。
4.個別銘柄動向
決算で売上高と1株利益が市場予想を上回ったユナイテッドヘルス・グループ[UNH]が2%以上上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。また、市場予想を上回る決算を発表したJPモルガン・チェース[JPM]やウェルズ・ファーゴ[WFC]も高く、JPモルガン・チェースが1%を超える上昇となり、ウェルズ・ファーゴも3%余り上げています。一方で主力ハイテク株が安く、テスラ[TSLA]とフェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ[META]が3%近く下げたほか、アマゾン・ドット・コム[AMZN]も2%近く下落しています。グーグルの持ち株会社であるアルファベット[GOOGL]とアップル[AAPL]、マイクロソフト[MSFT]、ネットフリックス[NFLX]も1%以上下げています。半導体株も売られアドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]とエヌビディア[NVDA]が3%を上回る下落となり、クアルコム[QCOM]とブロードコム[AVGO]も2%以上下げています。さらに原油先物価格の上昇を受けて空運株が安く、アメリカン航空グループ[AAL]とデルタ航空[DAL]、ユナイテッド・エアラインズ・ホールディングス[UAL]が3%近く下落しています。
5.為替・金利等
先週末の長期金利は0.09%低い4.61%となりました。ドル円は149円台半ば近辺で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は先週末の米国でのハイテク株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は節目の32,000円を割り込みそうで、売り一巡後に下げ渋るような動きをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)