今週(10月6日~10月12日)の相場動向

相場回顧 BTC:パレスチナ情勢の悪化でリスクオフ売りが強まる

ビットコインは、9月米雇用統計が市場予想を大幅に上回る結果となり、発表直後は米国株とともに下落したが、米国金利が下げ始めると買い戻し優勢となった。

10月7日にパレスチナのガザ地区でイスラム過激派組織ハマスによる大規模攻撃があり、被害の拡大が報じられるにつれて地政学リスクが意識され、リスクオフの売りが強まった。英国で著名な暗号資産取引所を含む複数の交換業者が警告リストに追加されたことも嫌気された。

さらにイーサリアム財団が保有するイーサリアムを数億円単位で売却したことが分かり、イーサリアムが前月の底値付近であるETH=23万円(1,550ドル)まで大きく下落し、これに連れ安してビットコインも下げ足を速めた。

米国の金融政策見通しについて連銀総裁によるハト派寄りの発言も目立ったが、ハマスが暗号資産で多額の資金を調達したとのウォール・ストリート・ジャーナル誌の記事が話題となり、イスラム過激派組織との関連性が懸念されてBTC=395万円(26,500ドル)付近まで価格を下げた。注目された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では追加利上げの可能性に触れながらも慎重姿勢が示された。

来週(10月13日~10月19日)の相場予想 

BTCはパレスチナ情勢と金利見通しの思惑に左右される展開か

新たなリスクとしてパレスチナ情勢の不透明感が強まっており、紛争が拡大した場合にはリスクオフの売りが継続すると考えられる。一方で、その影響により米国では利上げ打ち止めの思惑が強まっており、米国金利の頭打ちが意識されれば買い支えも入るだろう。来週はベージュブック公表後にパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の会見を控えており、米国経済や今後の利上げ方針に関するコメントに注目が集まる。

イーサリアムの価格が開発遅延や財団売りなどの影響で先んじて前月の底値付近まで下落しており、追加の悪材料によってその水準を割り込んだ場合にはビットコインも同様に売りが強まるだろう。また米国ではFTXグループ破綻に関する裁判が始まっており、悲惨な内情が次々に明るみに出ることで、米国の投資家を中心に暗号資産の買いを控える動きが増えることは懸念される。

このように来週は厳しい相場になりそうだが、地政学リスクが高まる時には良くも悪くもビットコインが逃避資産として注目される面もある。またJPモルガンがシティ銀行やドイツ銀行などに並んで現実資産(RWA)のトークン化プラットフォームを立ち上げる動きもあり、悲観的になるのはまだ早いだろう。

直近、上値として今月の高値付近であるBTC=425万円(28,500ドル)、下値として前月の安値付近であるBTC=372万円(25,000ドル)を意識する。