今週(3月7日~3月13日)の相場動向
相場回顧 BTC(ビットコイン):米国景気後退懸念や政策期待の後退により軟調推移
ビットコインは米国景気後退懸念やビットコイン政策期待の後退を背景に、軟調な推移となった。
3月7日には、トランプ米大統領がビットコイン準備金設立に関する大統領令に署名したと報じられた。しかし、押収分の保有継続のみが明示され、新規購入計画が含まれなかったことから、市場では期待外れとの見方が広がった。ホワイトハウス主催の暗号資産サミットも具体策を欠く内容となり、ビットコインは失望売りが強まった。
さらに、米国による関税強化策が景気後退を招くとの懸念が広がり、ハイテク株を中心に米国株が大幅安となる中、ビットコインも一時BTC=80,000ドル(約1,184万円)を割り込んだ。この局面では、トランプ米大統領が景気後退リスクへの言及を避けたことも、市場の不透明感を強める要因となった。
その後、ウクライナが米国提案の30日間停戦を受け入れる方針を示したことで地政学リスクが後退。また、2月の米消費者物価指数が市場予想を下回ったことでインフレ懸念も和らぎ、米国株とともにビットコインも買い戻される動きとなった。
しかし、トランプ米大統領が欧州の対抗関税に応じる姿勢を示したこともあり、ビットコインは上値の重い展開が続いた。

来週(3月14日~3月20日)の相場予想
BTC(ビットコイン)はFOMC次第では持ち直す展開が期待される、SEC会合にも要注目
米トランプ政権による強硬的な関税政策を受け、市場ではインフレ再燃と景気減速への警戒感が高まっている。こうした中、投資家のリスクオフ姿勢が強まっており、ビットコインも売りが継続する可能性がある。一方で、来週のFOMCでは金利据え置きが見込まれるものの、パウエルFRB議長のハト派的なスタンスが示されれば、米国株やビットコインにとって支えとなる展開も期待される。
また、米国のビットコイン準備金構想が市場期待に届かなかったことで買い材料が乏しい状況だが、ルミス上院議員が100万BTC購入計画を盛り込んだ法案を再提出するなど、今後の動き次第では期待が再燃する可能性も残る。さらに、来週予定されるSEC暗号資産タスクフォースの初会合では、暗号資産の証券性を巡る定義の議論に進展がみられるか注目が集まる。米国の規制方針が見え始めれば、投資家や事業者も新たに動きやすくなり、市場にとってはプラス材料となるだろう。
直近の価格レンジとして、上値はBTC=90,000ドル(約1,332万円)、下値はBTC=75,000ドル(約1,110万円)を意識する。