モトリーフール米国本社、2023年8月20日 投稿記事より

主なポイント

・バフェット氏が保有する高配当利回り株の上位には、お気に入りの銀行株や最長保有株が含まれる
・大手石油企業、バークシャー・ハサウェイが子会社とみなす企業、ハイテク業界のパイオニアも含まれる

バフェット氏は高配当利回り株がお気に入り

「高利回り」の定義にもよりますが、ウォーレン・バフェット氏は高配当利回り株に想像以上に投資しています。高利回りと認定する明確な基準はありません。

そのため、ここではS&P500指数に連動する上場投資信託(ETF)で最大規模を誇るSPDR S&P 500 ETFトラストの2倍の利回りを基準として使用します。足元で、同ETFの配当利回りは1.43%となっているため、配当利回りが2.86%を上回る銘柄を高配当利回り株とします。

バフェット氏は、配当利回りが2.86%を上回る銘柄をかなり多く保有しています。実際、同氏がCEOを務めるバークシャー・ハサウェイ[BRK.A]ポートフォリオの約25%を、以下の高配当利回り株5銘柄が占めています。

バンク・オブ・アメリカ[BAC]

バンク・オブ・アメリカは、バフェット氏にとって2番目に大きな保有銘柄であり、バークシャー・ハサウェイのポートフォリオ全体の8.7%を占めています。バンク・オブ・アメリカはまた、バフェット氏が今でも選好する、数少ない銀行株の1つでもあります。

同社は7月に増配を発表し、10年連続の増配となりました。配当利回りは約3.3%です。

一部の銀行では、2023年初めに見舞われた銀行危機の影響で、いまだに暗雲が立ち込めています。しかし、バンク・オブ・アメリカは、盤石なバランスシートのおかげで堅調を維持しています。事業も好調で、2023年第2四半期は前年同期比で2桁の増収増益となりました。

コカ・コーラ[KO]

飲料大手のコカ・コーラは、バフェット氏が最も長く保有している銘柄です。バフェット氏はまた、同社のソフトドリンクの熱烈なファンでもあります。コカ・コーラは、バークシャー・ハサウェイにとって4番目に大きいポジションで、ポートフォリオの6.9%を占めています。

コカ・コーラは以前から、インカム投資家のお気に入り銘柄です。これまで61年連続で増配しており、「配当王(50年以上連続増配している企業)」と呼ばれるエリート銘柄の中でも垂涎の的となっています。足元の配当利回りは3%を上回ります。

バフェット氏はかつて、「お気に入りの保有期間は永遠だ」と言いました。コカ・コーラは明らかに、伝説の投資家にとってお気に入り銘柄の1つと言えます。

シェブロン[CVX]

総合石油・ガス企業のシェブロンはコカ・コーラに次いで、バフェット氏の5番目に大きい保有銘柄で、バークシャー・ハサウェイのポートフォリオ全体の5.6%を占めています。

石油株の多くは魅力的な配当を支払っています。シェブロンも例外ではなく、配当利回りは約3.8%です。また、同社は36年連続の増配実績があり、「配当貴族(25年以上連続増配している企業)」の一員でもあります。

バフェット氏は数年前からシェブロンを選好してきましたが、ここ数四半期は選好の度合いが低くなっているようです。同氏は第2四半期に、シェブロン株1億2300万株超を売却しました。

クラフト・ハインツ[KHC]

食品大手のクラフト・ハインツはバフェット氏にとって7番目に大きいポジションで、バークシャー・ハサウェイのポートフォリオ全体の3.1%を占めています。しかし、バークシャー・ハサウェイとクラフト・ハインツの間には、保有比率以上の繋がりがあります。クラフト・ハインツは、バークシャー・ハサウェイのウェブサイトに子会社の1つとして記載されているほどです。

残念なことに、同社にはそれほどの増配実績はありません。それどころか、2019年には減配を実施しました。しかし、配当利回りが4.8%近いことは好材料です。

HP[HPQ]

バフェット氏は、ハイテク株好きというわけではありませんが、HPの株式12.3%を保有しています。同氏にとってHPは12番目に大きなポジションであり、バークシャー・ハサウェイのポートフォリオの1.1%を占めています。

HPは過去5年間に配当を88%も引き上げています。足元の配当利回りは、3.4%をわずかに下回る水準です。

これらの銘柄の中でも、特にベストな選択肢はどれか

インカム投資家であれば、バフェット氏が保有するこれらの高配当利回り株はどれも気になるでしょう。では、この中でベストな選択肢はどれかと聞かれたら、有力候補はバンク・オブ・アメリカと思われます。

5社の中で配当利回りが特に高いわけではありませんが、バンク・オブ・アメリカは予想株価収益率(PER)が8.6倍であり、バリュエーションが魅力的です。足元の株価は52週高値を20%超、下回っています。バンク・オブ・アメリカがバフェット氏にとって2番目に大きなポジションであるのには、正当な理由があるはずです。

免責事項と開示事項  記事は一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。バンク・オブ・アメリカは、モトリーフールのグループ会社アセントの広告パートナーです。元記事の筆者Keith Speightsは、バンク・オブ・アメリカ、バークシャー・ハサウェイの株式を保有しています。モトリーフール米国本社はバンク・オブ・アメリカ、バークシャー・ハサウェイ、HPの株式を保有し、推奨しています。モトリーフールはシェブロン、クラフト・ハインツの株式および以下のオプションを推奨しています。コカ・コーラの2024年1月満期の47.50ドルコールのロング。モトリーフールは情報開示方針を定めています。